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売れる宿泊プランの作り方とは? ペルソナマーケティングを用いた集客について解説

ホテルや旅館にとって、「どのような宿泊プランを提供するか」というのは集客にダイレクトに影響する部分だといえます。宿泊プランの作り方ひとつで、新しい客層を獲得できることもあるわけです。

では、実際に宿泊プランを作る際には、どのような点に気をつけていけば良いのでしょうか。
今回は、「ペルソナマーケティング」を用いた集客について、そのポイントを詳しく解説していきます。



売れるプランと売れないプランの違い

同価格帯で同ランクの客室を提供しているのに、予約が入るプランとそうでないプランがあります。では、売れるプランと売れないプランにはどのような違いがあるのでしょうか。

具体的なポイントを詳しく見ていきましょう。

■売れないプランは担当者目線

売れないプランの特徴は、その中身が担当者目線で組み立てられているということ。

マーケティングの担当者が打ち出したいと思っているサービスなど詰め込んだプランが、必ずしもお客さまのニーズに合致するとは限りません。

担当者目線で組み立てられたプランは、実際にそのプランを利用する顧客の具体的なイメージができていないため、どのような客層に販売したいのか、コンセプトが定まらず、魅力が伝わりにくいのです。

■売れるプランは顧客目線

一方、売れるプランというのは顧客目線で組み立てられています。

ターゲットとする顧客層が具体的にイメージされていて、その層が好みそうな内容でプランを立てているため、ターゲット層に合致したお客さまには魅力的に感じられるというわけです。


ペルソナマーケティングとは

多くの企業で採用されている「ペルソナマーケティング」。

もともとは「外的人格」、「仮面を被った人格」という意味を持つ心理学用語で、これをマーケティング業界では「商品やサービスを利用する顧客の中で最も重要な人物モデル」という意味で用いています。

例えば、ターゲットを「20代女性」や「30代男性」と設定したとしても、その人がどのような仕事をしているのか、既婚か未婚か、子どもがいるのかどうかなどによっても市場の消費傾向は大きく異なります。

特に、さまざまな生き方が認められている現代では、生活や思考も多様化しているため、狭い範囲での顧客層をイメージしたマーケティングでは効果的な集客につなげることはできません。

このペルソナマーケティングを用いることで、実際にその人が存在しているように、名前、年齢、住所、家族構成、趣味、職業などの詳細な情報を設定し、ターゲティングされた客層に対し、より詳細なアプローチで商品開発や宣伝を行っていくというわけです。


ペルソナを設定するメリット

具体的にユーザー情報を分析し、架空のターゲット層を作り上げるということは大変ですが、ホテルや旅館などが宿泊プランを立てる際に、ペルソナマーケティングの手法を用いることでどのような効果を得られるのでしょうか。主なメリットを詳しく見ていきましょう。

■ユーザーファーストなプランを作成できる

年齢、性別、既婚か未婚か、職業、居住地、家族構成、勤務形態、趣味など、より詳細にターゲットの情報を分析し、具体的に設定することで、ユーザーファーストなプランを作成することができます。

細かな設定がされていることでアプローチ方法が明確になり、効果的な集客につなげることが可能です。

■社内でターゲットの情報を共有できる

ペルソナマーケティングによってターゲットの家族構成や趣味、毎日の生活リズムなどを具体的に分析することで人物像が明確になるため、宿泊プランの作成に携わるスタッフ全員がターゲットの情報をしっかり共有することができます。

具体的なイメージを共有することで、企画進行やプロジェクトの進行がスムーズになるというメリットも。


ペルソナの作り方

では、実際にペルソナマーケティングを用いた宿泊プランを作る場合、どのような手順で進めていけば良いのでしょうか。ここではペルソナの設定の仕方について詳しく見ていきましょう。

■大まかなターゲット層を設定する

既存プランで取り込めていない層をターゲットにする、あるいは、既存プランでさらに伸ばしていきたい層を狙う、周辺地域の観光客の属性から宿泊プランを考えるなど、宿泊プランをどの層に売りたいのか、年代や性別といった大まかな属性を設定していきましょう。

■ターゲット層の情報を集める

大まかに設定したターゲット層をより細かく設定していきます。

その際、これまでの宿泊客の傾向から、どのような年齢層、性別、職業の人たちが宿泊しているのか、どんなサービスや食事を好むのかなど、より詳細なディテールを集めていきましょう。

情報の集め方は、設定したターゲット層に近い顧客にインタビューやアンケートを行う、フロントや仲居など、お客さんにより近いスタッフにインタビューをするなどの方法があります。

また、ターゲットと似たような属性の人をSNSでフォローし、ライフスタイルについて知ることもできますし、一般の調査データを参考にするのもよいでしょう。

■集めた情報を仕分ける・まとめ上げる

必要な情報が集まったら人物像を仕上げていきます。具体的には以下の情報をまとめていくと良いでしょう。

  • 年齢

  • 性別

  • 居住地

  • 仕事

  • 生活スタイル(起床就寝時間、通勤時間や通勤方法、外食回数、嗜好パターン)

  • 最終学歴

  • 家族構成や恋人の有無

  • 年収や経済状況

  • 趣味

■ペルソナのストーリーや思考を創造する

集めた内容を精査したら、より具体的なターゲットのストーリーや思考を作り込んでいきましょう。

その際には、プロジェクトチームで情報を共有し、意見を出し合って進めていくことが大切です。プロジェクトチームは年齢、性別、役職がバラバラなことも多く、ひとつのペルソナに対し、異なった意見が出る可能性があります。

それぞれの意見を参考にすることで、抜け漏れのない、より詳細なペルソナを作ることに繋がります。

■ペルソナを人物像に落とし込む

プロジェクトチームでの意見のすり合わせを経たら、これまでの情報をまとめて一人の人物像に落とし込んでいきます。

ペルソナが完成した後は、実際にお客さんと接することの多いスタッフに確認し、実際の宿泊客との間に乖離がないかどうかを確認しましょう。

実際に宿泊プランをリリースした後は、定期的にペルソナを点検することが大切です。半年から一年に一回程度、実際の宿泊客の情報や、社会状況や流行などの動向をもとに、ペルソナの見直しを行いましょう。

ペルソナマーケティングを活用した宿泊プランの作り方は、調査や分析などに時間がかかりますが、より詳細なペルソナを設定することでその後の集客効果に反映されてくるため、重要な作業です。ぜひ上記の内容を参考にして取り入れてみてください。

※2019/11/06公開の記事を転載しています


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