「山王山瑞泉郷事例」 老朽化施設の補修を機に、大浴場の商品力を大幅強化。


補修に留まらない、新たな魅力を付加した商品創り

旅館・ホテルという業種は、施設の老朽化や市場の変化に伴う営業戦略の変更に応じて、つねに商品である施設を刷新し続けなければなりません。世界遺産「平泉」のほど近く、渓谷美の絶景と美人づくりの温泉で知られる岩手県の山王山温泉瑞泉郷でも同様に、長年の使用に伴って脱衣所・内湯・露天風呂など大浴場施設全体が老朽化し、その対策が急がれていました。

一般的に旅館・ホテルの改装計画は、設計士に全体プラン作成を依頼しゼネコンで施工するというのがオーソドックスな手法です。しかしこと小規模な改修のケースではこの手法では小回りが利きにくく、予算的にもオーバーしてしまいがち。

そこで瑞泉郷では、改装のプランニングやブランディング戦略に沿ったデザイン表現、最新のプロモーション手法などに長け、しかもこれらをワンストップで実現できる総合広告会社に相談を持ちかけました。

その狙いは単に古くなった施設を補修するのではなく、より今のお客様のニーズを満たす魅力的な施設へと生まれ変わらせること。そして竣工後の円滑なプロモーションも視野に入れた選択でした。

もともと素晴らしい渓谷の眺望がセールスポイントの一つであった当館。その魅力をさらに引き出すために岩風呂一箇所のみだった露天風呂に2つの浴槽を新設するとともに、露天風呂全体をリラクゼーションエリアとして捉え直しました。

テーマは補修を機とした「商品力強化」です。このテーマに沿って露天風呂が刷新されることで、当然付帯する脱衣所や内湯にも相応のクオリティが求められます。露天風呂に新たな魅力を加え、それにふさわしい付帯施設を再整備した瑞泉郷の事例をご紹介します。 

 

定評の高かった大浴場が、さらに快適な「くつろぎゾーン」へ

<露天風呂>

露天風呂を「湯のエンターテイメントスペース」として、新たなセールスポイントにすることが今回の改装のポイント。エリア全体の床面は美観と質感に優れたウッドデッキ調に貼り替えるとともに、全体のスペースを現状よりも広げて、より開放感のある空間に仕上げています。

【改装前】

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【改装後】

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浴槽は従来の岩風呂に新設の丸桶浴槽と四角桶浴槽を加えて、合計3つの湯船をゆったりと回遊できる新たな楽しみ方を提案。アプローチに配したミニ庭園も、屋外ならではの四季感を肌で感じられるようにとの心遣い。遙かに山並みを展望できる視線方向には孟宗竹を植栽し、近景と遠景をともに楽しめる工夫も施しました。さらに湯から上がってくつろげるリラックスチェアを置いたことで、自慢の湯をじっくりと楽しむお客様が増加しました。

<浴場>

【改装前】

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【改装後】

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内風呂は経年劣化による変色が目立った壁面全面を改修。色調をブラウン系でまとめることで、優しく木に包まれるイメージがより強調されました。またこれまでは石造りだった浴槽上がり縁石にも木貼り施工を施し、木と石の質感でまとめられた統一感ある空間に仕上がりました。

<脱衣場>

【改装前】

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【改装後】

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全体的に暗く、そこかしこに施設の古さが感じられた脱衣場は、木と網代を多用することで落ち着きと爽やかさが調和するモダン和風のトーンに一新。単なる脱衣場ではなく、籐家具でゆっくりとくつろげる湯上がりのリラクゼーション空間に変身しました。


この改修工事は書き入れ時となるゴールデンウィーク前のオープンを目標としていましたが、その想定スケジュール通り、明るく清潔で情緒性と楽しさが強調された新たな大浴場が無事完成をしました。

最も気になるお客様の反応ですが、ゴールデンウィークに口開けとなる話題性も功を奏し、OTAや口コミなどでは従来の同時時期の評価を大幅に上回っています。実際の利用客の様子を見ても、新たに誕生した露天風呂ゾーンにはお客様が長く滞在し、存分にくつろぎの時間を楽しんでいらっしゃる傾向が顕著となっています。

旅館の生命線ともいえる風呂の強化は、ことにPR効果が高く、もともと定評の高かったお風呂への評価がさらに向上したことで「露天風呂の宿・瑞泉郷」という新たな旅館の立ち位置を明確かつ効果的に訴求することができ、お客様からも狙い通りの認識を得ることができました。

  

旅館ホテルを熟知した外部スタッフとのタッグで、魅力度をさらにブラッシュアップ

屋外の水回り工事では天候によって工事日程が左右されたり、地盤の問題が出たりと、現場ではつねに臨機応変な対応が求められます。施工依頼先を選定するに当たっては当然のことながらこれらの課題をひとつひとつ適切にクリアし、宿側が想定したイメージ通りの施設へと着地させられる力量が求められます。

全面改装などの大型事例ではなく、こうした浴場限定のリニューアルや客室数室だけの改修など小規模な施設の見直しは、小回りが利いて予算も抑えられる地元の建築会社や工務店に発注している宿も多いでしょう。

これらの建築会社への発注にももちろんメリットはありますが、旅館ホテル業そのものについての知識やノウハウを有していないことから「予定通り完成はしたものの、旅行客のニーズからかけ離れた施設になってしまった」というケースも多々あります。

しかし旅館ホテル業に通じている外部スタッフであれば、「こうしたい」という宿側の意向をしっかりと受け止めるのはもちろん、宿の魅力をアップさせる新たなアイディアや従業員のオペレーションのしやすさなど多方面に目の行きとどいた様々な提案も期待できますから、同じ予算内で、宿が狙った以上の付加価値を持つ施設を実現することが可能です。

単に補修に留まらず、新たな商品価値の創造を実現できる小規模なリノベーション。老朽化施設の対処を「補修」と消極的に捉えるのではなく、「新たな商品創造のチャンス」としてプラスに転化する発想をぜひ念頭に置いてみてはいかがでしょうか。

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株式会社エイエイピーは時代に即した旅館・店舗づくりをコンセプト・デザイン面から考察し、提案、経営のお手伝いを続けています。ビジネス戦略の立案やコンセプトの策定、感性に訴えるデザイン表現、そしてSNSなどを始めとする最新のデジタルマーケティングまで、豊富なノウハウを活かした効果の高いプランをワンストップでご提供いたします。

思うように機能していない施設に対してコストパフォーマンスの高い改装を行いたい。新しい営業戦略に基づいた最新のリノベーションを行いたいなど、お客様の多彩なご要望にワンストップで幅広く対応しています。

【関連サイト】
旅館・ホテル業界で60年以上の取引実績を持つ広告商社による                                           リノベーション事業「re:nova -リノーヴァ-」


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