休業日は、自社研修で意欲と技能の向上を

休業日は、自社研修で意欲と技能の向上を

 

雇用調整助成金と合わせて教育付加給付の申請を、十分に検討されていますでしょうか申請給付が6月末まで延長されたこともあり、休館日あるいは個人の休業日設定をお考えのところも多いと思います。

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【CONTENTS(目次)】
1.出勤でも「研修」であれば休業扱いとみなされる
2.モチベーションの維持のための出勤「研修」
3.研修プランを組み立てる際のコツとは

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1.出勤でも「研修」であれば休業扱いとみなされる

付加給付は教育訓練を行ったことがわかる書類(プログラムや講師の設定、出席者のレポート)を添付する必要がありますが、通常の申請シートの一部に記載する欄があり、他の申請に比べると複雑ではありません。

所定勤務時間分の研修に参加する従業員は1日分(休業手当+中小企業訓練付加給付2,400円)、4時間(所轄のハローワークによっては3時間)以上の研修に参加する従業員は半日分(休業手当+中小企業訓練付加給付1,200円)のプラス支給があります。

出勤しても研修であれば休業扱いとみなし、雇用調整助成金の対象となり、かつ付加給付がある制度なので、参加者リストを作成する際に、時間設定を考慮されるとよいと思います。

 

2.モチベーションの維持のための「研修」

さらに、この制度を積極的に活用した休館日のあり方をご提案いたします。経費助成のことに加え、従業員のみなさんのモチベーションを維持するための提案です。

緊急事態宣言は解除されたものの、感染状況は予断を許さず、Go Toトラベルの停止延長は継続され、休館日を多く設定しなくてはならない厳しい状況が今後もしばらくは続きます。今できることを見逃さず、この時間を大切に使いたいと思います。

昨年の4月から6月にかけての休館と同じような状態を繰り返してはいけないという思いは、長い休館日を設定したところに共通した思いです。休館が営業的な痛手であるばかりか、従業員のモチベーションとスキルにマイナスに働くことを実感しました。

営業再開後に退職者が相次いだところも少なくありませんでしたが、逆に新入社員がしっかり活躍し、社内の一体感が増して、急激な繁忙日も新しい態勢で乗り越えた旅館もありました。

4月から5月の休館中の平日を全て出勤日として研修に充てたそうです。計画的に研修を組み、申請を前提に内容の吟味を行い、出席者はレポートもしっかり書き上げる仕組みで実行しました。

毎日ということではありませんでしたが、毎週1日は必ず全員が研修のために出社するように設定していたところもありました。

全社おもてなし研修の1日には「仕事への意欲を保ち続けるよい時間です」「今まで顔を見たことしかなかった人と一緒に取り組めてよかったです」「お客様を迎える日が待ち遠しいです」という声を聞くこともできました。

今後の休館日は、従業員のみなさんにどのように過ごしてもらう計画でしょうか。予約や総務など、休館日に関わらず業務が発生する部門や各部署の役職者を除けば、単に「休み」となりかねませんが、先に述べたとおりこの時間を使わない手はありません。

 

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3.研修プランを組み立てる際のコツとは

例えば、この休館日を利用して清掃する場合は単なる業務のため対象にはなりませんが、今後に役立つ5Sに取組めば業務スキル習得のための研修は給付の対象になりえます。従来の訓練給付は半日が認められていませんでしたが、今回の措置では、半日業務・半日研修がOKとなっています。

それを活用して、半日研修(基本学習・ディスカッション・5Sの職場づくりなど)と半日実作業、とすることも考えられます。

清掃も同様に、清掃のプロ(外部講師でなくても専任役職者などでも可)に清掃のテクニックを学ぶ時間を設けることもできます。研修日をまとめて1日、作業日を1日とするのもよいかもしれません。

これにメンテナンス関係について設備担当者に講話してもらう時間を加えることもできます。省エネの関係についての知識は今後に活かせます。

他館では、設備保全の中でも、現場スタッフが予防保全・予知保全の理解を深めて、効果を上げた例もあります。(故障してから行う事後保全=修理は、営業の大きな支障とより大きな費用負担につながります。)料理知識、食材知識、飲料知識、観光知識などは、講義担当者を決めて勉強会の設定がしやすいものもあります。

研修時間のすべてで話を用意するとなると講義担当者には大きな負担になりますが、観光協会や地域振興会で配信しているビデオやパンフレットを使って、見て学ぶ・読んで学ぶ・話し合って学ぶ(防疫対策は忘れず!)とすることもできます。

今回の特例の拡充で、緊急対応期間内では、通常の雇用調整助成金では対象外となる以下の教育訓練が支給対象となっています。 ※厚労省資料より抜粋

●自宅などで行う学習形態の訓練 (片方向受講・双方向受講いずれも可)
●職種を問わず、職業人として共通して必要となる訓練 (例:接遇・マナー研修、パワハラ・セクハラ研修、メンタルヘルス研修)
●繰り返しの教育訓練が必要なものについて、過去に行った教育訓練を同一の労働者に実施する訓練(※同一の対象期間における再訓練は認められません。)

いかがでしょうか。自社研修で、意欲と技能を充実させるチャンスを逃す手はありません。

(株式会社リョケン 本部長 大西ますみ)


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