コロナとゴルフとデジタルとわたし。|観光マーケティングプランナーのちょっと視点を変えた連載コラム025

コロナとゴルフとデジタルとわたし。|観光マーケティングプランナーのちょっと視点を変えた連載コラム025

 

新規の感染者数も減り、様々な制限が緩和されて、人流と経済が再始動を始めた矢先に、またまた新型の「オミクロン株」が確認されてしまった。本稿を書いている時点では、まだ日本国内での確認数はごく少数ではあるが、じわじわとその数字が伸びている。まったくもって厄介な病毒因子だなと、改めて思う。

もうかれこれ2年近く、規制や自粛を繰り返しているうちに、私個人としては、すっかり怠け癖が染みついてしまい、平日は基本的には自宅と仕事場(車で5分)の往復。旅行にも行かず、飲み歩くどころか、外食すらほとんどしていない。

2021年は、仕事以外で居住県外に出たのは、わずか2回。それもお隣の県との県境をわずかに越えた程度で、まったく盛り上がりに欠ける平板な1年であった。

家族も状況は同様で「旅行行きたいねー」などと言いつつ、結局は「落ち着いたらねー」と実現はしていない。こんな有様なので、緊急事態宣言が発出されても、実際のところ、あまり不自由は感じなかった。慣れとは恐ろしいものである。

そんな中、唯一の気晴らしがゴルフだった。施設側もプレーヤーも感染防止に気を遣いながらのラウンドではあるが、余計なおしゃべりをしないし、昼食抜きのスループレイも増えてコストダウンやプレイ時間が短縮されるなど、個人的にはかえってメリットも多かった。

スコア自体は乱高下を繰り返すばかりでちっとも上達しないのに、たまにまぐれで良いスコアが出たりすると、調子に乗って次の予約。スコアが悪ければ、悪いでリベンジだと意気込んで次の予約。

そんなことを数十回も繰り返した。決してコンディションが良いとは言えないこの師走も、ほぼ全ての週末にゴルフの予定が入っている。同世代の友人たちも、私と同様に時間を持て余しているのだ。

そんな偏った暮らしぶりは、お金の使い道にも如実に表れている。試しに電卓をたたいてみると、自分で自由にできる金額の、実に8割近くをゴルフに関連したものに費やしていた。往復のガソリン代や有料道路代などを精密に足し算すれば、それは8割を超えるかもしれない。

残りの約2割が、書籍、音楽、食品のお取り寄せ、ガソリン代、散髪、冠婚葬祭関係など。消費総額は、コロナ前と比較して微減。実につまらない。

ちなみに、現金で支払ったのはほんのわずかで、支払いのほとんどがクレジットカードか電子マネー。我が家は、妻が月初に決まった額の現金を渡してくれるお小遣いシステムなので、自分で現金を引き出すということも1度もなかった。

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私が普段プレイするようなカジュアルなゴルフ場では、若い世代のプレーヤー姿も多く見られるようになり、週末の駐車場はどこも満杯だ。経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査」によると2020年度のゴルフ場利用者数は900万人前後。今年度は、もう少し増えるのではないかという見立てのようだ。

全体としては、利用者数は微増、売上は横ばい、というところだろうか。ちなみに、約20年前の2002年には、利用者数が1000万人弱で、売上が1230億円。2020年と比べると人数が1割多く、売上は3割以上多い。

確かに、かつてはどこも高級志向一辺倒で、平日3万円台なんていうコースがざらにあった。今では、あまりお目にかかることがない、男気あふれるプライシングである。

プライシングといえば、ゴルフ業界も宿泊や航空と同様に、日によっての料金に差をつけるダイナミックプライシングを採用してきたが、最近のスポーツビジネス界ではこの仕組みがさらに高度化されている。

予約状況に加えて、気象、日程、会場の立地、他の催事の開催状況などの膨大なデータを基に、人口知能(AI)が試合ごとに需要予測を立てて最適な観戦料を設定するという動きも出ている。これによって、売れ残り席の減少や、転売防止、新規客の取り込みなど、様々な効果があるという。

同様の取り組みは、一部のビジネスホテルなどでも既に導入されており、宿泊に対する需要回復が鈍化してる中、このダイナミックプライシングの高度化・細分化の動きは拡大してくる気がしている。

今後は質の高いデータの収集力と解析力が、ホテル・旅館の経営を左右することにもなりそうだ。当然のことながら、販促活動も、よりデジタルの領域が拡がってくるだろう。そして、そうした一連の動きは、スタッフの採用活動にも変化をもたらす。

これまで重要視されてきた、勤勉性やコミュニケーション能力、情熱、教養といった資質評価とは別に、データを適切に管理できる能力を有しているか、ということも選考の基準になってくるであろうし、当然、採用する側には、そのような人材を管理していくためのデジタルに関するリテラシーの強化が否応なく求められていくことになる。

きっと2022年は、そのような動きがさらに加速度を増してくると覚悟を決めて行動に移すべきだろう。

さて。ゴルフばかりやった、いや、ゴルフしかやらなかった2021年ももうすぐ終わりだ。2022年は、私自身も、デジタルにもう少しきちんと向き合うことと、家族を連れて旅行に行くこと。この2つを強く心に誓って、新たな年を迎えたいと思う。

最後まで拙文にお付き合いいただき本当にありがとうございます。弊社へのご愛顧に心より御礼を申し上げますとともに、2022年も変わらぬお引き立てのほど、よろしくお願い致します。皆さまの益々のご発展をお祈り申し上げます。

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