インバウンド(外国人観光客)に人気のホテル・旅館の特徴とは

ホテルや旅館をはじめとする宿泊業にとってインバウンド(外国人観光客)の獲得は、業績を大きく伸ばすために欠かせない最重要項目のひとつで、多くのホテルや旅館はインバウンド獲得のためにさまざまな企業努力を重ねています。その一方で、さまざまな戦略を実施しているにも関わらず、思うような成果が得られないケースがあるのも事実です。

インバウンド観光客に選ばれる施設とそうでない施設にはどのような違いがあるのでしょうか。そこで今回は、インバウンドに人気のホテルや旅館の特徴について、詳しく解説していきます!

インバウンド観光客の宿泊先

「宿泊先」といっても、ホテルや旅館以外にもさまざまな種類があります。実際にインバウンド観光客は、どのような施設に宿泊をするのでしょうか。

観光庁が実施した「訪日外国人消費動向調査」の結果によると、2018年度のインバウンド観光客の宿泊先のうち最も多かったのが「ホテル(洋室中心)」で、全体の79%に選ばれていました。その次に多かったのが「旅館(和室中心)」の17.6%、3位がAirbnbや自在客といった「有料での住宅宿泊」で10.6%、4位が「親戚・知人宅」で6.4%、5位が「ユースホステルやゲストハウス」で5.7%となっています。

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インバウンド観光客の目的を知る

インバウンド観光客に選ばれるホテル・旅館を目指すためには、海外からのお客様がどのような目的で日本を訪れているのかを知ることが大切です。

では、インバウンド観光客の旅行目的について、詳しく見ていきましょう。

インバウンド観光客の目的

日本旅行の目的のなかでも人気なのが、繁華街でのショッピングやテーマパークなど都市部でのアクティビティです。特に、中国、台湾、香港と言った中華圏からの観光客は、買い物にかける一人当たりの消費量が高い傾向にあります。また、日本の四季に魅力を感じている外国人も多く、四季折々の美しい表情を楽しめる自然や景勝地での観光、歴史への興味が深いのも特徴です。近年の傾向として、ショッピングなどの「モノ消費」よりも、温泉や日本食などの「コト消費」へ、インバウンド観光客の興味が移ってきています。

アクセスが良いホテル・旅館が人気

インバウンド観光客から人気のあるホテル・旅館の特徴としては、駅やバス停などの交通機関や観光地からのアクセスの良さが共通しています。旅館は基本的に郊外が多いため、駅からの送迎バスを用意し、その情報をわかりやすく伝えるなどの工夫も必要でしょう。

 

インバウンド観光客が求める設備やサービス

日本人は旅行で宿泊するホテルや旅館を選ぶ際に、室内の清潔さや接客の良さなどを重視する傾向にありますが、インバウンド観光客の場合はどうでしょう。日本人観光客が求める設備やサービスと、インバウンド観光客が求めるものは同じとは限りません。では、具体的にインバウンド観光客は宿泊先を選ぶ際にどのような点を重視するのか、インバウンド観光客のニーズについて詳しく見ていきましょう。

無料Wi-Fi

インバウンド観光客のほとんどが、スマートフォンやタブレットを使って情報収集をしています。ただし、その多くは日本での回線契約をしていません。交通機関やショッピング施設で無料のWi-Fiが利用できますが、旅館内でも、どこにいても無線wi-fiが使用できるよう整備しましょう。 

クレジットカードやモバイル決済

観光庁の調査によると、インバウンド観光客の多くが日本滞在中にクレジットや両替に関する不便さを感じた経験があると言われています。特に買い物を目的に日本を訪れることが多い中国人観光客は、クレジットカードやQR決済などキャッシュレス決済を好む傾向にあります。クレジットカードやQR決済の導入は、インバウンド観光客に選ばれるために必要なものになりつつあります。 

パンフレットやメニューの多言語対応

ホテル・旅館内のレストランのメニューや、人気観光地への行き方を紹介したパンフレットなどの多言語対応も、多くのインバウンド観光客が望むことのひとつです。地方まで足を伸ばす観光客は英語がわかることが多いため、最低限、英語版だけでも用意できるとよいでしょう。 

日本食

「訪日外国人消費動向調査」によると、訪日前に最も期待していることとして「日本食を食べること」と答えたインバウンド観光客は全体の約28%に上ります。これは、訪日前のニーズとしては最も高いポイントであり、日本食への興味の高さが伺えます。また、訪日後に一番満足した飲食としては「ラーメン」が約20%ともっとも高く、次に「寿司」が17%となっています。ホテル・旅館の料理に自慢のメニューがある、または近隣に有名店がある場合は、積極的に情報発信をしていくとよいでしょう。

外貨両替機

観光庁による「受け入れ環境整備に関するアンケート」の調査結果によると、日本を訪れる外国人観光客の6人に1人が「両替場所の不足」を感じています。外貨両替機の導入を検討するか、導入が難しい場合は近隣の金融機関や両替所への案内を用意するとよいでしょう。

 

文化や信仰の違いにも配慮

日本人と外国人とでは宗教や文化に大きな違いがあります。宗教上、思想上の理由で、食べられるものに制限がある方も多いため配慮をすべきです。例えば、イスラム教では豚肉やアルコールが禁じられているだけでなく、牛や鶏、羊などの肉類もイスラム教の教義に則った処理がされなければいけません。その配慮がきちんと行われていることの証明として「ハラール認証」を取得するホテル・旅館も増えています。また、ベジタリアン向けのメニューとして、動物性の材料が含まれていないメニューを用意するホテルも増えています。

 


インバウンド観光客に人気のホテル・旅館になるためには、インバウンド観光客のニーズを捉えた思いやりが大切です。

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