外国人の受け入れに伴う観光業界の課題と、インバウンド回復に向けて今から始めておきたい準備とは

外国人の受け入れに伴う観光業界の課題と、インバウンド回復に向けて今から始めておきたい準備とは

 

令和4年6月10日から外国人観光客の受け入れを再開し、現在(9月9日現在※最新資料は9月7日発表)は全ての国・地域からの添乗員の同行を伴わないパッケージツアーの受け入れまでが再開されている状況です。

今後のコロナ収束と受け入れ規制の緩和を見据えると、そろそろ外国人旅行客の受け入れ準備を本格的にスタートすべき時期を迎えていると言っていいでしょう。

そこで今回は、外国人観光客の受け入れに伴う観光業界の課題と今からできる準備について考察してみましょう。

★この記事のポイント★
今後FIT(個人旅行)再開の機運が高まると同時に、海外からの来日観光客は爆発的に増加します。そのための受け入れ準備をいち早く進めるためにも、ぜひ今から人手に頼らない現実的な対策に着手しておきましょう。

【CONTENTS(目次)】
1.日本の外国人観光客の受け入れ状況は
2.インバウンドの回復は、2023年以降本格化の見込み
3.まずはアジア各国への対応強化を課題に
4.着手すべきは多言語での接客対応と、DX化の推進

 

1.日本の外国人観光客の受け入れ状況は

観光立国をテーマに掲げ、海外観光客の来訪促進を続けてきた日本。その効果もあり海外からの来日観光客数は年々伸長し続け、2019年には訪日外国人数が過去最高の3,188万人を記録するまでに至りました。

しかし、この成長を維持しさらなる観光客の増大をめざしていた最中に突如世界中に巻き起こったのが新型コロナウイルスの感染拡大です。日本でも感染防止のための水際規制の強化によって、観光目的の入国者がゼロとなってしまいました。

ようやく今年の6月10日になって約2年ぶりに外国人観光客の受け入れが再開されましたが、そんな矢先に再び巻き起こったコロナ第7波によって、またも先行きが不透明となってしまいました。

出入国在留管理庁のデータによると、受け入れ再開後から7月末までに入国した外国人観光客は約8,000人あまりと、従来の入国者数に比べればごくわずかに留まり、まだまだ本格的な回復には至ってはいませんが、本記事の制作時点で第7波が徐々に収束に向かいつつある状況を鑑みると、今後は各国の感染状況に応じて日本への入国に関する規制も段階的に緩和されていくと見るべきでしょう。

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2.インバウンドの回復は、2023年以降本格化の見込み

こうした中で、国連世界観光機関(UNWTO)では、今後の世界の海外旅行市場が2019年の水準にまで回復する時期を2024年以降と予測する専門家の割合が、2021年9月調査時点の45%から64%に増加したことを発表。

また回復基調に向かう時期についても、58%の専門家が2022年内からの回復、42%が2023年から回復に向かうとの見込みを立てています。
「観光産業ニュース『トラベルボイス』」2022年1月20日記事より引用・要約

これらの予測に基づき、日本においても来年以降にはインバウンド客の回復基調が本格化するという想定のもと、早急に具体的な受け入れ対策を整備・拡充していく必要があります。

 

3.まずは東アジア各国への対応強化を課題に

日本のインバウンド状況を振り返ると、日本との距離が近く比較的旅行しやすいという背景もあって、これまでの来日観光客のほぼ7割を東アジアの国々が占めています。この傾向を踏まえると、インバウンド再開に向けてまずは東アジアの方々の受け入れ体制の整備に取り組むことがより現実的な対処となるでしょう。

東アジアの国とひと言で言っても、国や地域ごとに観光客のタイプや志向性、来日動機はそれぞれ異なります。特に来日観光客の多い代表的な国と地域の傾向を下記にまとめました。

●中国
世界最大の人口を誇り、国別に見た訪日外国人旅行者数と消費額はともにトップを占めています。一時の爆買い動向は若干下火にはなっていますが、インバウンド再開後は「中国人リピーターをいかに取り込むか」が依然として大きな課題として挙げられます。

●台湾
親日国でもあることから、特に個人旅行客の割合とリピーター率が高いのが大きな特徴です。インバウンド再開後は、この数年の間に溜まっていた来日へのニーズが開放されて、多くの台湾人が一気に日本に訪問することが予測されることから、今後の旅館ホテルにとっては最も注目すべきターゲットのひとつになるでしょう。

●韓国
韓国内ではこれまでにも日本は最も手軽な海外旅行先の一つとして認知浸透されており、リピーター率も高いレベルを維持しています。ただ気軽に旅行できる分、滞在日数は短めとなっているため、各旅館ホテルでは周遊型ツアーや各種の体験などを通して、この滞在期間を伸ばしてもらえるような工夫がポイントになります。

●香港
香港も親日感情の高い地域のひとつ。また香港人は海外旅行好きで、繰り返し日本を訪れているリピーターも多いことから、つねに多彩な楽しみ方や選択肢を提供できる商品プランの開発などもポイントとなるでしょう。香港では旅の情報収集に際して、今も紙媒体を重視する傾向があることから、香港への情報発信はwebと紙媒体の両方を活用するのが効果的でしょう。

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4.着手すべきは多言語での接客対応と、DX化の推進

インバウンド再開にあたっては、観光庁から「外国人観光客の受入れ対応に関するガイドライン」が示されています。ガイドラインの中では、各宿泊事業者におけるコロナ感染防止対策が適切に実施されるよう、ロビーや食堂等の目立つ場所のほか、更衣室や浴場等でも外国語のリーフレット掲示等を行うことなどが具体的に求められています。

さらに旅館ホテルの現場では、外国人旅行客に不便を感じさせることのないように、適切でスムーズなコミュニケーションをとるための工夫も求められます。現状こうした接客対策がまだ十分でない旅館ホテルも多いことと思われます。

インバウンド再開後は、言語や文化の違いなどによるトラブルを回避し、外国人観光客に十分に日本を楽しんでもらえるようなおもてなし対策が必要です。

具体的な課題のひとつとして、公式サイトや館内案内など案内ツールの多言語化が挙げられます。

基本的な接客姿勢としては、これまで国内旅行者に対して充分な対策を行なってきた実績をベースとして対応することが可能だと思われますが、接する相手が外国人ということになりますので、各言語への対応とコミュニケーション上の工夫は必須です。

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とはいえ宿泊業界の慢性的な人手不足の状況を考慮すると、多言語に対応できるスタッフを新たに拡充するのはなかなかハードルが高いと思われます。そこで現実的な対策として挙げられるのが、多言語対応の客室タブレットや、スマホを活用した外国人接客サービスなどの積極的な導入・活用です。

各旅館ホテルの現状に合わせて多彩な接客ツールやシステムが選べますので、人手に頼らずにスムーズな外国人観光客への対応を実現できる方策として、ぜひ各種デジタル機器を業務内に組み込んでみてはいかがでしょうか。

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またこうした個々のデジタル機器の積極活用に留まらず、さらに踏み込んで旅館ホテルのDX化を推進することもインバウンド再開を視野に入れた対応としてお勧めできる取り組みです。

PMS(ホテル管理システム)やキャッシュレス決済などもインバウンド需要の獲得には特に効果の高いDXツールです。またこれらのDXツールはインバウンド対応と同時に、旅館ホテルの経営改革や事業の効率化にも大きく寄与しますので、中長期的な視点からこのインバウンド再開を大きなチャンスと捉えて、ぜひ入を検前向きに導討してみることをお勧めします。

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長かったコロナの影響から脱しつつある今、ようやくインバウンドの再開の明るい兆しが見えてきましたが、その一方でインバウンド規制が緩和されると同時に、海外からの観光客が一気に日本に押し寄せることは想像に難くありません。そしてその時期はもう目の前に迫ってきています。

このビッグウェーブを逃さないよういち早いインバウンド対策を整備するためには、デジタル化による業務の自動化や省人化システムの構築はもはや必須の課題だと言えるでしょう。

株式会社エイエイピーでは、各種デジタル機器はもちろん、PMSを主体としたサービスシステムの構築まで、貴館の早急なインバウンド対策に役立つDX対策を幅広くご提案し、現場への導入のサポートを承っています。今後の対策についてのお悩みやご相談があれば、どんなことでもぜひお気軽にお声がけください。

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