補助金を活用して個室食事処を整備。 さらなる高付加価値・高単価の宿へ -静岡県河津町・今井浜温泉「かね吉一燈庵」-

補助金を活用して個室食事処を整備。 さらなる高付加価値・高単価の宿へ -静岡県河津町・今井浜温泉「かね吉一燈庵」-

 

静岡県河津町・今井浜温泉の「かね吉一燈庵」は、今井浜海岸がすぐ目の前に広がる好立地で、1972年に「かね吉」として創業。2005年には「かね吉一燈庵」へとリニューアルし、リピーターを始めとする多くのお客様にこよなく愛されています。

そんなかね吉一燈庵がこのほど、既存観光拠点再生・高付加価値化推進事業「災害時避難者受入施設支援事業」の補助金を活用して、お食事処の改装を行いました。

m_かね吉06.jpg

【CONTENTS(目次)】
1.個室食事処の拡充で、宿のさらなる高付加価値化を推進
2.災害時避難者受入施設支援事業とは
3.宿の課題と災害時の地域支援対策がぴったりと重なって

 

1.個室食事処の拡充で、宿のさらなる高付加価値化を推進

かね吉一燈庵はこれまで全20室の旅館として営業してきましたが、お食事の際には11室のお客様に1階の個室食事処を、残り9室のお客様に関しては3階の宴会場を個別パーテーションで仕切ってご利用いただくなど、お食事の際の個室スペース不足が課題となっていました。

また、食事会場が2箇所に分割されていることによってスタッフの労働・生産効率が悪い上に、お客様の利便性にも影響が出ていたこともあり、以前からこれを一箇所にまとめて諸々の課題を解消したいとの想いを抱えていました。

そこで立案したのが、宿を全15室に減らして、これまで以上の高付加価値・高単価化を目指す新たな経営計画。

客室減によって総売上は下がるものの、15室すべてのお客様に個室食事処での上質なサービスを提供し、高単価化と人事費の削減を実現することによって従来以上の利益を確保するという方針へと舵を切ったのです。

さらにこれには、最小限の人員で高質な食事サービスを提供できるシステムを構築することによって、慢性的な人手不足の悩みを解消するというもう一つの狙いもありました。

 

2.災害時避難者受入施設支援事業とは

こうした考えに基づいて計画の大筋はほぼ固まっており、次のステップとして活用できる補助金を模索・検討する中で株式会社エイエイピーがご紹介したのが、今回活用に至った「災害時避難者受入施設支援事業」でした。

この「災害時避難者受入施設支援事業」は、地方公共団体や組合等との間で災害協定を結んでいる宿泊施設が、万一の非常時の避難先として近隣住民等の受け入れを行うことができるよう、災害対策環境の整備などを支援するもので、上限2000万(補助額1/2)の補助金が準備されていました。

宿側では当初は想定していなかった補助金ではありましたが、申請条件や補助額、補助率など、利用に際して有利な点が多かったことから、それまでの計画を早めて申請を実施。

実際に申請してみると想像以上にスムーズに採択され、すぐに施工に取りかかることとなりました。また、補助額と補助率がともに大きいことから、小規模旅館として「とてもありがたかった」と言います。

 

3.宿の課題と災害時の地域支援対策がぴったりと重なって

以前から、静岡県との間に災害時における宿泊施設等の提供に関する協定を結んでおり、この申請に際しての条件をすでにクリアしていたかね吉一燈庵。

具体的な災害時の受け入れを想定した際にも食事場所の確保が課題になること。また、食事場所が区分されていないためコロナ禍における2次災害のリスクを伴うことなど、宿側のかねがねからの課題と、災害時対応における対応の焦点とがぴったりと一致したことから、改装計画を手直しすることもなく当初の計画そのままに改装を実施。

その結果、1階リビング15個室(テーブル・イス席12席・畳敷き3席)が新設・改装され、全室分の個室食事処を確保した上に、災害時の周辺住民受け入れ施設としても十分な陣容を確立することとなりました。

「地域の社会インフラとして、万一の時にはできる限り地域の支えになりたいという気持ちは、私たちの当初の計画とまったく矛盾しませんでしたし、具体的な施工内容においても非常時対応のために特に手直しする箇所もありませんでした。いつどこで起きるかわからない災害に備えるのは全国どの地域でも一緒ですし、そんな時に少しでもお手伝いができればと考えたのが今回の改装です」

2021年11月に施工をスタートし、年内の完成と稼働を果たした新たな個室食事処には、お客様が車いすのまま着座できるバリアフリー対応が施され、さらに非常時の乳飲み子や幼児などの受け入れを考慮して畳敷きの個室も3部屋用意されました。

m_かね吉02.jpg

また、食事処の天井と足元には隙間を設けることで、十分な換気が行えるよう細かな配慮も施されています。

m_かね吉05.jpg
GOTOの再開を見越して1月~2月からの本格稼働を目指して進められた今回の改装。

突発的に再拡大したコロナの影響を受けて、残念ながらまだ多くのお客様を迎えるまでには至っていませんが、すでにスタッフからはバックヤードの動線も含めて「動きやすい」「使いやすくなった」という嬉しい反応が多数出ているとのこと。

お客様からも「キレイになったね!」「さらに居心地がよくなった」などの声をいただいていることからも、一日も早いコロナの終息と本格的な稼働を視野に、新施設を活かしたより質の高い経営の実現に向けて、大きな期待が寄せられます。


毎週配信をしているリゾLABのメールマガジン「リゾMAGA」。新着記事の紹介、旅行・観光関連のデータやプレスリリースなど、旅館・ホテル業界に関わる方におすすめの情報を届けます。

▶▶メルマガ登録はこちらから


関連記事