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【速報】補助事業採択が有利に!「観光施設における心のバリアフリー認定制度」をご存じですか?
ますます高齢化が進む日本において、今や高齢の方や障碍をもつ方の割合は人口の3割を超えるまでに達しています。特に観光においては、その同行者にこうした方々が含まれることを考えると、人口のおよそ6割を超える一大マーケットとして捉えることができるでしょう。
昨今は、車椅子用のスロープやフロアのフラット化、手すりの設置など、観光施設におけるハード面でのバリアフリー化が一般に広く普及してきていますが、サービスなどのソフト面に関してはまだまだ手探りだと言えるのではないでしょうか。
そこで今回は、多様な方を幅広く受け入れるためのサービス体制の整備における国の認証制度「観光施設における心のバリアフリー認定制度」をご紹介します。
【CONTENTS(目次)】
1.「観光施設における心のバリアフリー認定制度」とは
2.申請の前にまずは具体的な認定基準を確認しておきましょう
3.この制度についての、よくある質問をご紹介します
4.旅館ホテルにとって、この制度にはもうひとつのメリットが
1.「観光施設における心のバリアフリー認定制度」とは
観光庁が推進している「観光施設における心のバリアフリー認定制度」とは、宿泊施設を含む観光施設が高齢者や障碍を持つ方々の受け入れのためのバリアフリー対応や情報発信などの普及推進を後押しするものです。
観光庁では各観光施設がどんな取り組みを具体的に展開しているかを審査し、積極的に取り組む姿勢のある観光施設を「観光施設における心のバリアフリー」に認定。認定された対象施設には、観光庁が定める「認定マーク」が交付されます。
2.申請の前にまずは具体的な認定基準を確認しておきましょう
では、バリアフリー対応や情報発信に積極的に取り組む姿勢とは一体どのような取り組みを指すのでしょうか?
先にもふれた通り今回の制度では、バリアフリー設備などのハード面ではなく、例えば可動式のスロープの設置や、各種補助用具の貸出し、またスタッフがお客様を誘導・補助してのご案内や、筆記具やタブレットなどによる筆談対応など、口頭での応対ではなくスタッフのマンパワーを活かしたサービスの提供や、多様な補助器具によるアシストを実施しているかどうかが認定の対象となっています。
具体的には、下記基準を全て満たしている事になっています。
<3項目の認定基準>
①施設のバリアフリー性能を補完するための措置を3 つ以上行っている
②バリアフリーに関する教育訓練を年に1 回以上実施している
③自社のウェブサイト以外のウェブサイトでバリアフリー情報を積極的に発信している
※上記3つの項目をすべて満たすことが必要です。
心のバリアフリー認定基準(参照:観光庁 観光施設における心のバリアフリー認定制度 認定制度概要)
「1分でわかる心のバリアフリー認定制度(参照:観光庁You Tubeチャンネル)」
3.この制度についての、よくある質問をご紹介します
先に3項目の認定基準についてご紹介しましたが、実際の申請にあたって必要な条項や認定までのスケジュールなどよくある質問をピックアップしましたので、ご参考としてください。
■申請にあたって必要なものは?
①申請書 (観光庁ホームページからダウンロードしてください
②営業許可証など、認定対象施設であることを証する資料
③ソフト面でのバリアフリーの取り組みの内容がわかる写真・資料等
④教育訓練を行った日時がわかる書類(社内日誌や研修案内等)、
教育訓練の内容がわかる書類(パンフレットや使用教材等) ※
⑤ 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会が定める
「シルバースター登録制度」の認定を受けている場合、それを証明するもの ※
⑥その他、観光庁が必要と判断するもの
※ ④ ⑤については該当資料があれば提出
■認定審査は通年行われていますか?
通年で実施しております。(土・日・祝日・年末年始を除く)
■審査の結果が出るまでどのくらいの期間になりますか?
認定審査の処理は、原則として申請受付日から30日以内に行うこととしていますが、場合によりそれ以上になることもあります。
■ソフト面でのバリアフリー化とはどういった取り組みですか?
備品の備付、貸出、サービス等の取り組みを対象としています。
取り付けに工事を伴うものについては対象としていません。
具体的な取り組みについてはこちらもご参照ください
■施設のバリアフリー性能を補完するための措置について、3つ以上の取組とありますが、備品の種類が異なれば認定基準を満たしますか?
認定対象となるのは、「一つのバリアに対して一つの取組」とみなします。
<◯:基準を満たす例>
①入浴の際のバリア解消の取組として、椅子やすべり止め等を貸し出す。
②館内移動時のバリア解消の取組として、車椅子や杖を貸し出す。
③感覚が非常に敏感で音や臭いに影響を受ける方のバリア解消として、パーテーションの貸し出しや、個室をご案内する等のサービスを実施。
<×:基準を満たさない例>
入浴の際のバリア解消の取組として、①椅子②手すり③すべり止めマットの3種の備品を貸し出す。
その他、詳しくは下記の観光庁ホームページをご確認ください。
4.旅館ホテルにとって、この制度にはもうひとつのメリットが
「観光施設における心のバリアフリー認定制度」は、単にバリアフリー施設として国から認定されるだけでなく、宿泊施設にとってはもうひとつ見逃せない点があります。
同じく観光庁の補助事業である「地域一体となった観光地・観光産業の再生・高付加価値化事業」では、「宿泊業の高付加価値化のための経営ガイドラインに基づく登録制度」の登録があることが加点項目として挙げられており、この「経営ガイドライン」の登録を得るためには、今回ご紹介した「観光施設における心のバリアフリー認定制度」の取得が必須事項となっています。
つまり「観光施設における心のバリアフリー認定制度」を取得することには、「高付加価値化事業」における「個別事業計画」の申請採択をより有利に働かせるという大きなメリットが付随するわけです。
この「観光施設における心のバリアフリー認定制度」は、この補助金の取得に向けて取り組まれている旅館ホテルにとっては決して見逃せすことのできない注目の事業です。
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