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使われなくなった旅館食器の再生販売、駄菓子&土産屋が温泉街の寛ぎの拠点へ|芦ノ牧温泉観光案内所リニューアル事例


1.「温泉地景観創造ビジョン」のスタート事業


芦ノ牧温泉のある会津若松市では、2021年度「温泉地域景観創造ビジョン」の策定、2022年度はそのアクションプランの作成を行ってきました。
今回の観光案内所改装事業は、そのアクションプランの先頭を切った、修景および商品整備の一つとして位置付けられています。

2021年度ビジョン策定事業報告書抜粋


2022年度アクションプラン作成事業報告書より抜粋

芦ノ牧温泉観光案内所は、2020年に昭和レトロな雰囲気がある、駄菓子屋&お土産屋としてリニューアルしたものの、まち歩きの拠点となり、ほっと一息つける場所として機能も期待されてきました。

改装前の内観|駄菓子やお土産品が並ぶ

さらに温泉街の特色を生かした誘客フックづくりや付加価値ある収益事業をより深く模索し、以下をポイントに掲げました。

〇使われなくなった旅館の食器類の再生販売
〇地元企業との連携による真に美味しい名物づくりと寛げる場所の提供
〇自分消費土産を意識した日常使える地元産品の雑貨販売


工事からオープンまでのスケジュールは以下の通り、工事後オープンまで数か月を要したのは、想定外の工事関連事態の発生に伴い、商品計画を再度見直したと聞きます。
・2024年~3月|改装工事
・2024年4月~|修正工事・商品計画再考
・2024年8月10日|オープン


2.1300年の歴史と文化を限られた予算で再生

外装
前述のとおり、温泉地の景観修景として、開湯1300年の歴史ある山間の温泉地に相応しいファサード、周囲の風景に馴染む色合い、店舗内の雰囲気が伝わる開口などをポイントとして、予算面からも躯体を弄らないプランニングが求められました。

Before|外観
After|外観完成予想パース

内装
改装前は装飾と設置備品で昭和レトロ感を出していましたが、寛ぎスペースとしての質感や飲食提供場としての機能融合、地域のショールーム的要素をふまえた商品陳列の美しさをポイントに、こちらも躯体を弄らないプランニングとなっています。

Before|プランニング直前の内観
After|内観完成予想パース

3.本物のスイーツとコーヒー、旅館食器の融合で寛ぎ空間が誕生

こうして、芦ノ牧温泉の観光案内所『癒し処あがっせ』は、新たな観光拠点を目指して8月10日に無事オープン。

外観写真|店名は改装前と同じ
内観写真
会津木綿雑貨コーナー
使われなくなった旅館の食器が調度品のように並ぶ
正に旅館の食器|ハンドドリップコーヒー|茶の湯文化を伝える抹茶セットもメニューに

カフェメニュー
・ハンドドリップ「芦ノ牧ブレンドコーヒー」 500円
・地元の菓子店が作る「勝栗ようかん」付き抹茶セット 600円
・イチジクとラムの生チョコケーキ 500円
・抹茶の生チョコケーキ 500円
・カッサータ(イタリアンアイスケーキ) 500円

特に、スイーツは市内のnowhere bakery製造で、どれも真に「うっまーい」と大好評です。

〇芦ノ牧温泉観光協会Instatgram

〇スイーツ提供、地元のこだわりベーカリーnowhere_tenneijiさんInstatgram

〇yafoo!ニュースに掲載された「あいづくらし」さんの記事

会津若松市では、この事業をスタートとして、今後も数年にわたり温泉地景観再生事業に取り組んでいくとのことで、市民からも大きな期待が寄せられています。

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■実施主体/会津若松市
■実施場所/芦ノ牧温泉
■委託先/㈱エイエイピー東北支店:改装企画・施工
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参照|ビジョン策定事業記事

参照|アクションプラン策定事業記事


エイエイピーでは、温泉地のまちおこし事業に「修景・着地・絵創」という観点で提案しています。「温泉街に空き店舗、空き家が増え活用方法を模索したい」「スクラップ&ビルドはすぐにできないので、出来るところから着手したい」といったニーズがある方はお気軽にご相談ください。

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