地域活性化で観光客を増やす!インバウンド等面白い取り組み成功事例10選
地域の魅力を世界に発信し、訪れる人々を魅了する取り組みが注目されています。特に、円安により外国人観光客が増えているため、インバウンドの施策も重要です。
この記事は、日本各地で成功を収めた観光施策の事例と、地域活性化の具体例をご紹介します。
新たな視点で地域の魅力を再発見し、発信することで、地域の活性化に寄与するヒントを見ていきましょう。
観光客を増やす取り組み成功例10選
ここでは、観光客を増やすための取り組みが成功した、10の実例をご紹介します。
これらの成功例から、観光業界における効果的な戦略や新たなアイディアを発見できます。具体的な事例を通じて、成功の秘訣を見ていきましょう。
1.北海道ニセコエリア|パウダースノーで話題のリゾート地
北海道ニセコエリアは、高品質なパウダースノーで世界中のスキーヤー・スノーボーダーを惹きつけています。ニセコは、国際的な高級リゾート地としての地位を確立するため、富裕層外国人目線の観光地づくりに取り組みました。
ウィンタースポーツのみならず、夏に楽しめるアクティビティなど体験型観光コンテンツの整備が成功の理由のひとつとされています。
また多言語に対応したウェブサイトの充実や、看板・広告の英語表記、外国人向けの観光案内所を設置するなど、インバウンドの受入態勢が整っています。
2.新潟県長岡市|サイト・看板・カード配布で多言語対応
新潟県長岡市は美しい自然や豊富な降雪量、花火大会などで多くの外国人観光客に人気です。
公式サイトの充実はもちろん、市内23か所の観光スポットをQRコードで読み取り、多言語で解説。観光地や公共施設に設置された看板にも多言語での案内を施し、外国人観光客の利便性を高めています。
また、市内の主要な観光スポットを巡る際に役立つ、情報カードを配布することで、言葉の壁を越えた観光支援を実現しています。
3.福島県会津若松市|温泉のビジョン策定
福島県会津若松市は、温泉資源を活かした地域活性化に取り組んでいます。
東山温泉・芦ノ牧温泉など市内の複数の温泉地が連携して、温泉を核とした「温泉地域景観創造ビジョン」を策定。
街歩きのポイントである景色の整備とそれによる「にぎわい」の活性化、そして地域の隠された魅力を、旅人に向けて発信することの重要性を洗い出し、改善に取り組みました。また、多言語対応の情報提供やインフラ整備も進めています。
温泉街の美化やイベントの開催、地元食材を活かした料理の提供など、温泉だけでない多彩な魅力を訪問者に提供しています。
4.神奈川県横浜市|街歩きにQRコードを設置しガイド
横浜市では、観光客の増加を目指して、市内の主要な観光スポットにQRコードを設置する取り組みを行っています。
客船ターミナルや街なかの案内サインにQRコードを設置し、スキャンするだけで、臨海部を中心とした観光情報や目的地へのルート案内などを手軽に入手することが可能です。
また、災害時には、各種アラートや注意喚起情報などを多言語で提供することで、安心して横浜で滞在できるように配慮しています。
これらの取り組みにより、横浜市は観光客の増加を実現しています。
5.石川県|伝統工芸品や温泉地を活かした高付加価値体験のコンテンツ
石川県では、多様な観光コンテンツを提供しています。輪島塗や九谷焼の絵付け、金箔貼り体験など、地域が全国に誇る伝統工芸品を体験できるスポットが多数あります。これらの、訪問者が直接手を動かして文化を感じられるワークショップが人気です。
また、温泉地では宿泊施設と、のどぐろや加賀蓮根など地元食材を組み合わせた高付加価値の宿泊プランを展開。観光客にとって石川県の文化と伝統を理解し、楽しむ機会を提供しています。
出典:令和6年版観光白書ついて
6.富山県立山黒部|「雪の大谷」がアジア人観光客で話題に
富山県の立山黒部アルペンルートでは、「雪の大谷」と呼ばれる高さ20メートルにも及ぶ壮大な雪壁がアジア圏を中心に人気を博しています。
この自然の造形美を前面に打ち出し、SNSを通じての情報発信に力を入れることで、多くの観光客が訪れるようになりました。
また、立山連峰や黒部ダムなど他の観光名所と連携して観光資源としての価値を高めています。
これにより、訪れる観光客に多様な体験を提供し、満足度を向上させています。
7.岐阜県白川郷|SNS映えする景観とミッションラリー
岐阜県の白川郷は、合掌造りの伝統的な家屋が立ち並ぶ美しい景観で知られています。
SNS映えする景観を生かし、SNSや観光サイトを通じた積極的なプロモーション活動が観光客の増加につながりました。
また、観光客が白川郷を訪れる際、単に景観を楽しむだけでなく、ミッションラリーに参加することで、地域の隅々まで楽しめる仕掛けを用意しています。
このアクティビティは、家族連れや若い世代の観光客に特に人気があり、楽しみながら地域の魅力を発見できる仕掛けとして成功しました。
8.香川県丸亀市|伝統「丸亀うちわ」での観光施策
香川県丸亀市は、江戸時代から続く伝統工芸品「丸亀うちわ」を観光施策に活用しています。
観光客が丸亀うちわの製作を体験できるプログラムを提供。自分でうちわを作る楽しさを通して地元の文化に触れられます。
また観光客が、作ったうちわをSNSに投稿することで、さらなる広がりと認知度向上が図れています。
さらに、丸亀うちわに関連したイベントやワークショップを開催し、地元の職人と観光客の交流を促進する取り組みも好評です。
当社でも、暑いシーズンには最適なオリジナルうちわの企画・制作まで行っておりますので、お任せください。
9.福岡県福岡市|観光・MICE推進
福岡市は、観光だけでなく、国際会議や展示会などのMICE(Meeting、 Incentive travel、 Conventions、 Exhibitions/Events)を積極的に誘致しています。
福岡市は、福岡空港から市内中心部までのアクセスが非常に良く、国際会議場や大型のコンベンションセンターなど、MICEを開催しやすい地域であるためです。
多言語対応の案内やWi-Fi環境の整備も進められています。
これらによりビジネスと観光の両面から市を活性化させ、国内外からの訪問者を増やしています。
10.宮崎県高千穂町|アドベンチャーツーリズムの推進
宮崎県高千穂町では、雄大で神秘的な自然景観を生かしたアドベンチャーツーリズムを推進しています。
カヌーやトレッキングなどのアウトドア活動を通して、訪問者に自然との一体感を味わってもらうことで、他の観光地とは異なる魅力を提供。
また、農業体験や伝統工芸のワークショップなど、地域の文化や生活に触れる体験型観光も人気です。
これらを体験した観光客がSNSに投稿することで、口コミ効果が高まり、さらなる集客につながっています。
地域でのインバウンド動向
令和6年度観光白書(観光庁)によると、以下の通りです。
● 外国人延べ宿泊者数の7割が三大都市圏に集中している
● 地域の訪問者は、訪日外国人旅行者全体の約5割
● アジアの旅行者は訪日リピーターの割合が高く、地域のみ訪問する割合も高い
● 地域の外国人延べ宿泊者数は、北海道・福岡県・沖縄県に集中
● コロナ前と比べると、高知県・栃木県・九州各県などで増加している
特に、近隣のアジア人観光客で地域への流入が起こっており、いかにして自分の地域に呼びこむかが重要です。
地域活性における観光客増加のメリット
観光客の増加は、地域活性化に以下のようなメリットをもたらします。
●地域の経済振興:観光客が増えると、地元のホテル、レストラン、お土産店などの売上が増加。これにより、地域経済が活性化し、地域全体の生活水準が向上する可能性があります。
●地域ブランディング:観光客が増えると、その地域の魅力が広く認知され、地域ブランドが強化されます。これは、新たなビジネスチャンスを生み出すだけでなく、地域の誇りや連帯感を高める効果もあります。
●地域における雇用機会の創出:観光業の発展は、新たな雇用機会を生み出します。これによって、地域の雇用率が向上し、若者の地域離れを防ぐ効果も期待できます。
●地域インフラの整備・利便性の向上:観光客の増加は、交通機関や公共施設などの地域インフラの整備を促進します。これによって、地域住民の生活利便性が向上し、さらなる観光客の誘致につながります。
このように観光客増加が、地域全体にメリットをもたらします。
地域活性化における観光の課題と対策
地域に観光客が増えることは、地域の持続可能な発展を支え、地域コミュニティの活性化に寄与します。ただし、観光客の増加に伴う課題も無視できません。
適切な観光資源管理と地域住民と一体となった課題の解決が必要です。
1.マーケティング
地域観光におけるマーケティングは、各国のニーズに合わせた施策と多言語サイトでのアプローチが重要です。
まず、各国の観光客のニーズや嗜好を理解し、それに基づいた観光プランやイベントを企画します。これによって、訪問者が地域の魅力を最大限に体験できます。
また、多言語対応のウェブサイトやSNSを活用して、情報を広く伝えることも重要です。
これは地域の魅力を世界中の人々に伝え、観光客の増加につながりますが、人材の確保と手間の問題が避けられません。観光サイトの多言語化サービスを検討することも一つの解決策です。
2.現地の多言語対応
地域観光における現地の多言語対応は、外国人観光客の増加に伴い、重要課題です。
観光地での案内板やパンフレットの多言語化、多言語対応スタッフの配置、翻訳アプリの活用などが求められます。
これによって、外国人観光客が安心して観光地を楽しむことが可能となり、地域の魅力をより多くの人々に伝えられます。
しかし、多言語対応は導入コストや人材の問題から難しい面もあります。インバウンド受入サポートを利用して、費用対効果の高い対策を検討するのもよいでしょう。
3.人手不足
地域観光における人手不足は、ピーク時のサービス提供や継続的な運営を困難にする大きな課題です。
特に、地方の観光地では若者の都市部への流出によって、人手不足が深刻化しています。
対策としては、パートタイマーやシーズンワーカーの活用、効率的なシフト管理、働きやすい環境の整備などが考えられます。
また、AIやDX技術の導入で、労働力を補完することも可能です。
これらの対策によって、観光地のサービス品質を維持しつつ、地域の持続可能な発展を支えることが期待できます。
まとめ
この記事では、地域活性化を目指し観光客を増やすための、さまざまな取り組みが成功した事例を紹介しました。
これらの事例からは、地域の魅力を最大限に活かしたマーケティングや、インバウンドにおける多言語対応の重要性が見て取れます。
また、地域ごとの特色を生かした体験型観光の提供が、訪問者の満足度を高め、SNSを通じた口コミ効果にもつながっていることが分かります。
もちろん観光客増加による経済効果や地域ブランディングの強化、雇用創出などのメリットがある一方で、資源管理や人手不足も課題です。
それぞれの地域が抱える課題に応じた対策を講じることで、更なる地域活性化と観光客増加が期待されます。
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