
株式会社リョケンが『令和7年 旅館の経営指針』 を発表!
株式会社リョケン(佐野洋一社長)は、兵庫県・日和山温泉「ホテル金波楼」で12月9日・10日に開催された第169回旅館大学セミナーにおいて、『令和7年 旅館の経営指針』を発表しました。
令和7年 旅館の経営指針
ベクトル転換 未来プロジェクトで軌道を変えよ!
㈱リョケン 令和7年 旅館の経営指針 ポイント解説動画より
1.現状分析とベクトル転換の必要性
■⽇本経済は30数年間の停滞から抜け出そうとしている
物価の⾼騰や賃⾦の上昇、⾦利のある世界。先頃のアメリカにおけるトランプ政権の誕⽣など、これまでにも増して世界が大きく動く中にあって、日本の経済も今、30数年の停滞から抜け出そうとしています。
それはひとことで言うと、長らく続いてきたデフレ経済からインフレ経済への転換とも言えるでしょう。
国内の旅館ホテル業界を見てみると、急増するインバウンドと、それに反して⽇本⼈が海外旅⾏を手控えている状況があり、またコロナ禍以前のレベルには戻らない団体旅⾏や宴会需要、AIによる社会の大規模な変革、高まり続ける建築コストといった現実が横たわり、コロナ禍の以前と以後では、旅行市場の構造そのものが大きく変わっています。
さらにこれまで以上に人手不足の問題も深刻化するなど、かつてとは大きく異なる環境下にあって、従来の経営手法はもはや適合しなくなってきていると言うことができます。
こうした現状を踏まえ、リョケンでは10年、20年先の未来を見据えて「今のままの経営でよいのか?」を問うべく、本年の旅館の経営指針のテーマとして『ベクトル転換 未来プロジェクトで軌道を変えよ!』を掲げました。
2.ベクトル転換のための視点
ベクトルが表すものは、方向と力の大きさです。
経営の「ベクトル転換」を図るということは、これまでの路線から、進む方向を変えること、そして力の大きさを変えるというイメージです。

将来に向けてどの方向へと経営の舵を切っていくのか、またそのために、どこにどれだけの力を入れていくのかを「戦略」へと昇華させるためには、以下の各項目におけるベクトルの変化を意識することが肝要です。
1.ターゲットを変える
これまでとは客層が変わってきていないか?を検証し、顧客支持第一主義をベースに「これから」の客層に軸足を置いた経営へ。
2.自館と商品のポジショニングを変える
従来のポジションにとらわれず、自館の位置づけについての新たな仮説を立て、見方を大きく変えてみる。
3.売上構成を変える
「どこで売上を上げていくか?」という点に留意し、小さな売上を捨ててでも、より大きな売上・収益性を追求する。
4.コスト構造を変える
今後付加価値を生む部分にコストをかけ、そうでないところのコストを削ることで「コストにメリハリをつける」。
5.主張、ポリシーを掲げる
自館の確固たるブランドを形成するために、自館独自の「主張」を反映した高い付加価値を創造し、さらにこれに共感してくれる顧客を増やす。
6.国際観光の視点から
外国人旅行客は「ベクトル転換」のキーファクターとなります。
「ここにしかないモノ・コト」こそが価値であるとの意識を持ち、観光の国際化という視点から「世界ブランド発想」を遂行する。時には高級であることそのものよりも、独自性を持つことがより重要なケースもあります。
7.ゼロベース発想
今の常識・やり方をいったんゼロベースで見直し、「自館は、そもそもどうあるべきなのか?」を丁寧に検証する。
3.ベクトルを戦略として
●「こうしたい」から、「こうしていこう」へ
まずは「何をどうしたいか?」を再確認した後、では「何をどうすべきか?」、それを「何によって実現すべきか?」へと検証を進めていきます。最終的には「何をどうしていこうとするのか?」という自館の意志と具体的な取り組みを現実的に詰めていきましょう。

●留意すべきポイントは、「ベクトルをそろえる」こと
旅館ホテルは商品力・販売力・ブランド力・資金力・信用力など、それぞれ多彩なリソースを有しています。
こうした要素に描いたベクトルに沿った優先順位をつけ、経営資源を集中させることが大切です。
またこの戦略には、「人を育てること」も忘れずにしっかりと織り込んでおきましょう。
ベクトル転換は、過去にとらわれず現在から始めて、やがて未来を変えていくこと。
「未来プロジェクトで、軌道を変えよ!」
ベクトル転換は、商品づくり、価格政策、顧客満足向上策、ブランディング、業務改革、組織改革といった様々な分野を関連付けながら進められるべきものです。
そしてそのためには、中長期的な視野に立った計画が求められます。
さらに、そのような活動に一貫性を持たせるためには、自社が目指している「良い方向」とは何か?
今やっていることが目指すベクトルに合っているか? を意識し続けることが大切であると考えます。
2025年は、ぜひベクトルの転換をテーマとして、高収益型事業構造の確立に向けた経営を意識していただければと思います。
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