
リノベーション
軽量パーテーションを空間デザインの要素として活用し、より上質な和の風情を醸成 【月岡温泉 清風苑】
大正4年に開湯した新潟県新発田市の月岡温泉は、全国でも有数の硫黄含有量を誇る源泉を持つ温泉郷。美しいエメラルドグリーンの色をした天然の湯は、皮膚への刺激が優しく、入浴した後にはその保湿効果も相まってしっとりしたお肌になることから「もっと美人になれる温泉」と特に女性客からの高い人気を誇っています。
そんな月岡温泉を代表する宿のひとつが、今回ご紹介するホテル清風苑。
上質な和の趣を大切にしたこの名宿では、和風食事処「おけさ御殿」を会場として月岡温泉で初となる本格夕食ビュッフェをスタート。併せてコロナ禍での密回避のために、席数やレイアウトに応じて個々のスペースを自在に仕切ることができる軽量パーテーションを導入しました。
★この記事のポイント★
清風苑ではパーテーションを仕切り板としてだけでなく、空間演出の大切な要素と位置づけることで宿のイメージ醸成に役立てています。
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【CONTENTS(目次)】
1.伝統ある部屋出しから、お食事会場でのご提供への転換
2.全国でも希少なライブキッチンを備えた和空間ビュッフェ
3.「贅」を演出するデザイン要素の高付加価値化
4.お客様からの声と、ラクラク運べる軽さでスタッフのモチベーションもUP
1.伝統ある部屋出しから、お食事会場でのご提供への転換
全85室という規模の大きな宿でありながら、創業以来の伝統として部屋出しのお食事スタイルを貫き、多くのお客様に支持されていた清風苑でしたが、この度のコロナの影響によってお食事会場での食事提供というスタイルへの転換を図らざるを得ませんでした。
お客様が一堂に会するお食事会場。そこでの効果的な密回避の方策として清風苑が採用したのが、リゾLABでも以前からご紹介している軽量パーテーションです。
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2.全国でも希少なライブキッチンを備えた和空間ビュッフェ
部屋出しとは異なる新たな食事の提供スタイルへの導入にあたって、清風苑には古くからの大切なお客様に対して、旧に倍する新たな魅力をお伝えしたいという強い想いがありました。
これまで培ってきた和の風情を守りつつも、さらに上質な空間と時間をおとどけできるお食事処のあり方をどうしたら実現できるか?その解決策を模索する中で誕生したのが、「ライブキッチンを備えた、畳敷きのお食事会場でのビュッフェ」という斬新なアイディアでした。
昨年1月からスタートしたこの畳敷き会場での夕食ビュッフェは全国でもとても珍しく、「和」の贅を求めて清風苑を訪れるお客様はもちろんのこと、「夕食をエンターテイメントとして楽しめる」とお子様連れのお客様などからも高い人気を博しています。
またライブキッチンの導入に際して、あえて既存施設にあった舞台を残し、料理をお客様の目を引くショーのように活用・演出しているのも清風苑ならではの特徴。
この舞台はお正月の装飾など季節感の演出の場としても利用され、その存在によって醸し出される上質感がお食事会場に華を添え、お客さまの居心地や満足感の向上にも結びついています。
3.「贅」を演出するデザイン要素の高付加価値化
清風苑におけるパーテーション活用の最大のポイントは、パーテーションを単なる仕切りとしてではなく、和空間のお食事処をより贅沢に、落ち着いた雰囲気へと昇華させるためのデザイン要素の一つとして位置づけられている点にあります。
パーテーションと呼ぶよりも、むしろ「屏風」や「衝立」と呼びたいその存在感を醸成するために、オリジナルの意匠表現には特にこだわり、これまで清風苑の各種ツールの制作経験を豊富に持つ株式会社エイエイピーが提案した数多くのデザイン案の中から、緻密な検討を繰り返して現在のデザインを選定しました。
薄っすらと透ける金色ベースの豪華な雰囲気の中に、「清風苑」の筆文字と家紋が入った一品もののデザインからは、汎用品がベースになっているとは思えないほどの高級感が感じられ、その事例を参考にしようと他の宿や旅行社から視察に訪れる方も多々いらっしゃるそうです。
「和」を重視した宿のイメージをより上質な空間演出へと昇華させつつ、同時にコロナに対する万全の対処を行うことで、お客様に高い満足感と安心をともにおとどけすること。
清風苑ではオリジナルデザインの品質にこだわった軽量パーテーションの導入によって、この2つの課題の解決を同時に成し遂げています。
4.お客様からの声と、ラクラク運べる軽さでスタッフのモチベーションもUP
その上品な和空間の佇まいは、お客様から以前よりもさらに上品で豪奢な雰囲気になったなどの感嘆と満足のお声が聞かれるそう。
仕切りとしての機能面からも「他席の目線が気にならない」「広いビュフェ会場の中でも自分の席としてのプライベート感が感じられる」などのお声が良く聞かれ、中でも食事の進み具合や、お酒の量などを他席の人から見られたくない女性からの評価がことに高いものとなっているそうです。
実際にOTAの口コミでもこれを裏付けるように「衝立が設置されていることで安心感が感じられる」「宿として密の回避にきちんと対処している姿勢が伝わる」など、好意的なコメントの数々が目立っています。
また大グループやお子様連れなどお客様ごとの特徴に合わせて、毎日お食事会場のレイアウトを組んでいるスタッフの視点からも、女性でもらくらく運べるその圧倒的な軽さが大好評。
先にご紹介したようなお客様からのお褒めの言葉の数々とともに、スタッフのモチベーションや働きがいの向上にも一役買っています。
清風苑では夕食ビュッフェはパーテーションを活用した和空間で、朝食は8階フロアからの眺望を楽しんでいただける会場でと、お客様のお食事ごとにそれぞれ趣の異なる個性を演出しています。
清風苑での軽量パーテーションの存在とは、単なる仕切り板の枠組みを超えて、もはや宿のおもてなしの姿勢を明確に示す大切な要素の一つとなっていると言えそうです。
※軽量パーテーションを外した状態で撮影
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