
SDGs
「プラスチック資源循環法」対策に! ウォータースタンドで、脱ペットボトル
「地球は未来からの預かりもの」。これは古くからアメリカに伝えられる教えです。
昨今、環境への意識や持続可能な社会に向けた気運がこれまでになく高まり、企業や団体などのSDGs活動なども注目を集めている中、この4月からは新たにプラスチック資源循環法が施行されました。
こうした時代情勢を背景に、旅館・ホテルにおいても企業責任を果たすことはお客様からの信頼や支持を得るために欠かせない要素となってきています。
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【CONTENTS(目次)】
1.サステナブル社会に向け、この4月から「プラスチック資源循環法」がスタート
2.旅館ホテルにおける脱プラと、ペットボトルの功罪
3.タンク不要のウォーターサーバーで、脱ペットボトル
-脱ペットボトルは、コストや労務面のメリットも大!
4.ペットボトルの廃止で、お客様の支持は本当に下がる?
1.サステナブル社会の実現に向け、この4月から「プラスチック資源循環法」がスタート
私たちの生活に欠かせない素材、プラスチック。しかしその投棄による海洋汚染などの環境問題が頻発し、また資源としての再生処理を徹底することの困難さなどから、サステナブルな社会の実現をめざす上でプラスチックそのものの使用を減らそうという動きが次々と具体化してきています。
そのひとつが、この4月より施行された「プラスチック資源循環促進法」です。
プラスチック資源循環促進法とは「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」の略で、製品の設計から廃棄物の処理にいたるまで、プラスチック製品のライフサイクルに関わるすべての事業者や自治体がその対象となっています。
もちろん旅館ホテルにおいてもプラスチック製品の削減が求められることから、まさに今、その対応にお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
2.旅館ホテルにおける脱プラと、ペットボトルの功罪
外食産業やコンビニなどを中心に、すでにプラスチック製ストローの使用をやめる動きが一般化していることは皆さんもご存じの通りです。
旅館ホテルにおいても、プラスチック製のアメニティグッズを代替品に切り替えたり、またアイテムを減らすなど、プラスチック製品の使用を減らすための取り組みが続々と始まっていますが、そんな中で特に注目したいのがペットボトルの存在です。
かつて「水と安全はタダだと思っている」と言われた日本でも、今やペットボトルの飲料水は当たり前の存在となりました。
ペットボトルは手軽で軽く、またフタの開閉ができて持ち運びもできる便利な容器ですが、その一方でリサイクルに多くの手間と高いコストが必要になったり、不法投棄による環境汚染が問題になるなど、サステナブルな社会の実現をめざす上での弊害が大きな社会問題となっています。
飲料メーカーなどでもプラスチックの使用量を減らしたり、ラベルやキャップなどに植物由来の原料を使用するなどのさまざまな工夫を凝らしていますが、使用者側から見た場合、脱プラに最も効果の高いのがペットボトルそのものを使用しないこと。
旅館・ホテルの場合で言えば、客室の冷蔵庫などへのペットボトルの配備を取りやめ、これに代わる新たな水の提供方法がその焦点となります。
3.タンク不要のウォーターサーバーで、脱ペットボトル
ペットボトルによる飲料水の提供からスムーズに脱却できる新たな手法として、今注目を集めているのがウォーターサーバーです。
そんな中で今回は、タンク交換の手間なしに、いつでも安全で美味しい水を提供できる新たなスタイルのウォーターサーバー「ウォータースタンド」をご紹介します。
「事業を通じて社会に貢献する」ことへの熱い想いから、2008年にペットボトルと同様の水を、水道水から直接提供できるウォーターサーバーの取り扱いを開始したのがウォータースタンド株式会社。
日本で年間に約250億本も使用されているペットボトルを30億本分削減することを目標として、「ウォータースタンド」の市場拡大はもちろん、マイボトルを携帯するという新たなライフスタイルの普及浸透にも積極的に取り組んでいます。
ウォーターサーバーというと、一般的に本体上部にタンクを乗せたものがイメージされますが、「ウォータースタンド」にはこの目立つタンクがありません。
「ウォータースタンド」はタンク不要の水道直結型で、水道水に含まれている不純物もサーバー内に搭載された高性能フィルターでしっかり除去できるため、いつでも安心・安全で美味しい水を提供することができます。
-脱ペットボトルは、コストや労務面のメリットも大!
「ウォータースタンド」はすでに、大手ホテルチェーンをはじめ、全国の旅館ホテルですでに550台以上の導入実績を誇っています。
そんな導入施設のひとつが、全国展開している某著名ホテルです。
このホテルでは4年ほど前に、環境貢献とコスト削減の取り組みとしてペットボトル飲料水の客室冷蔵庫への配備を止め、その代わりに各階ラウンジに「ウォータースタンド」を設置。各客室へ水を汲むことのできるウォーターピッチャーとグラスを配置するシステムへの切り替えを進めました。数年間にわたる試験運用の結果、ペットボトルの仕入れの削減が、当初の予測以上の大幅なコストダウンにつながりました。
▲設置イメージ
ペットボトルの削減が環境貢献によるブランド強化はもちろん、経営面においても大きなメリットが得られたことから、同ホテルでは現在、全国に点在する各グループ施設への「ウォータースタンド」の全面的な導入が積極的に推し進められています。
▶ウォータースタンドのサービスサイトはこちら
▶ウォータースタンド株式会社についてはこちら
4.ペットボトルの廃止で、お客様の支持は本当に下がる?
旅館ホテルの脱プラを果たしつつ、安心で安全な飲料水を低コストで提供できる「ウォータースタンド」。
しかし、経営者視点でもっとも気になるのは、これがサービスの低下と見られてしまわないかということでしょう。そこで興味深いアンケート結果をご紹介します。
いち早く「ウォータースタンド」を導入し、ペットボトルから水道直結ウォーターサーバーへの転換を果たした川崎市のあるライフスタイルホテルで宿泊客へのアンケート調査を行ったところ、この活動主旨に「賛同・支持する」というお客様がなんと約75%にも上るという驚きの結果が出ています。
このホテルの主な客層である若い世代は他の年代と比べて環境問題への意識が低めではないか、と想像していた経営陣にとって、このアンケートの結果は良い意味で意外そのもの。
脱ペットボトルの取り組みは「サービスの低下」ではなく、むしろ「環境に貢献するホテル」という高い評価と賛同につながったわけです。
また脱ペットボトルによって得られるメリットは、仕入れコストの削減という目に見える数字だけに留まりません。
客室への毎日のペットボトル配備をはじめ、空きペットボトルの回収や分別・リサイクルなどの煩雑で雑多な業務からスタッフを開放し、これに関わる人件費や業務コストも大幅に削減することができます。
さらには館内からペットボトル回収ボックスが消えることで、貴館の館内空間の美観向上にも貢献できる副次的効果もあり、脱ペットボトル化は旅館ホテルにとって総合的に計り知れないほど大きな効果をもたらしてくれると言えるでしょう。
環境貢献やコンプライアンスなどの企業ブランド向上に加え、コスト面への貢献などまでを含めて一考の必要がある、そんな脱ペットボトルへの転換。
多様なメリットに加えて、この取り組みを「マイボトルを持っていれば特典が得られるプラン」など攻めの一手として有効活用することができれば、新規顧客獲得への可能性を広げることにもつなげられるでしょう。
この4月から施行された「プラスチック資源循環促進法」。やむを得ず対処するという姿勢ではなく、次世代の貴館の新たな魅力を創造する絶好のチャンスとして、ぜひ前向きに捉えていただければと思います。
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