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ChatGPTの台頭にみる旅館・ホテル業界の人手不足の解消|観光マーケティングプランナーのちょっと視点を変えた連載コラム040

◯旅館ホテル・観光にかかわる、老若男女様々なプランナーによるリレーコラムです。

「ChatGPTってなんやねん。」という方のためにまずは簡単に解説しておこう。

ChatGPTとは、OpenAIが開発した「人工知能技術」の一つ。自然言語処理(NLP)の分野において、人間が書いた文章を読み込んで、これまでにない精度で自然なフローを生成することができる。そのためChatGPTは、顧客対応や問い合わせ対応など、人の手による処理が必要な業務において、大きな効果を発揮することが期待されている。

一方で、旅館・ホテル業界が、長年人手不足の問題に悩まされていることは業界内では周知の事実だ。

人口減少などの社会背景。長時間のハードな労働環境。人手不足解消策として業務の自動化や外国人労働者の採用が行われてきたが、今なお業界全体で人手不足は深刻な課題である。このような中で、前述したChatGPTのような人工知能技術の台頭は、旅館・ホテル業界における人手不足問題解決への光明だ。

では、ChatGPT導入によりどんな具体的なメリットがあるのか。

まず初めに、旅館・ホテル業界では、お客様からの問い合わせや予約が絶え間なく発生しているが、ChatGPTを活用することで、24時間365日、すべてのお客様に対応することが可能となる。またその際には迅速な対応が求められるが、従来の対応方法では人のミスや判断の違いによる不備が発生してしまうケースもしばしばある。ChatGPTを活用することで、適切な回答をすぐに返すことができ、かつスムーズな対応力向上につながる。もちろん、それら業務の自動化によるコスト削減も大きなポイントだ。

このように、ChatGPTを活用することで、従来のチャットボットに比べて広域の業務をサポートすることが可能となり、結果としてお客様の問い合わせに対応するスタッフの負担を軽減することができる。また、自動翻訳機能を備えているため、外国語人観光客にも応対可能、顧客層の拡大につながる可能性も秘めている。

ここまでで、ChatGPTの自然言語処理能力を疑っている方がいるかもしれないが、レベルとしては人工的に作成した文章と区別がつかないほどの文章を生成することができる。そのため、自動返信メールやフロント業務におけるワークフローの自動化、クレーム対応の改善など、様々な場面でChatGPTを活用した業務の効率化が進んでおり、既に成功事例も多数存在する。

これらの現状を鑑みると、ChatGPTの台頭により、旅館・ホテル業界は新しい道を拓くことができるようになったといっても過言ではないかもしれない。何と言ってもChatGPTの最大のメリットは、旅館・ホテル業界でのAIチャットボットの導入によるコスト削減と業務の効率化だ。導入することで自動応答が可能になり、人手不足に悩まされる代わりに業務を遂行することができる。もはや「人手不足の解決策=人員補充」という時代ではないのかもしれない。

業務の効率化、コスト削減、時間の節約、従業員の負担軽減、インバウンドへの対応…これだけChatGPTのメリットを挙げてもなお、人工知能アレルギーというか何というか、AIアンチの方はいるかもしれないのでダメ押しをしようと思う。

実は、上述の文章の8割近くは、ChatGPTにより生成された文章の集合体だ。

自分がしたことといえば、「コラムのタイトル決定」と語尾や文節などを「コラムっぽくすること」だけだ。自分が楽をしたかったからではなく、自然言語処理機能のすごさを伝えたかった。大事なことだからもう一度言うが、決して自分が楽をしたかったからではない。

ではChatGPTに任せっきりも何なので、最後の締めは私のほうで考えたいと思う。当然のことを偉そうに言うなという声が聞こえてきそうだが勘弁していただきたい。

これまではメリットばかりを取り上げてきたが、ここで一つ問題提起をしたい。今後益々ChatGPTをはじめとするAIチャットボットは旅館・ホテル業界に浸透していくだろう。そうなったとき、「サービスの画一化」が起こりえると思う。

「サービスの画一化」とはつまり、AIの導入により一定以上のサービスレベルをどこの旅館・ホテルも担保できるようになり、サービスの差別化が難しくなるという状態だ。

そこで生まれる問題として考えられるのが、従来は人が担っていた業務領域をデジタル化することで、サービスの独自性が希薄になるということだ。ホテルや旅館のサービスの本質は、「癒しの時間と体験」だと思う。そのための業務の効率化やコスト削減はもちろん重要だが、そこを突き詰めすぎると味気のないサービスに様変わりし、本末転倒となってしまう。

やはり必要な考え方はAIとの共存だ。どこまでをAIに任せ、どこから人が担うのか、その判断を誤れば、ホテル・旅館のアイデンティティ喪失を招き、「おもてなし」にみる世界に誇る日本文化の消失に繋がりかねないと考えるのは、さすがに大袈裟だろうか。

以上のことより、今後よりホテル・旅館のDX化が進むにつれて、人が担うサービス、もっというとスタッフ・従業員などの「人」の重要性は薄まるどころか、むしろより深く考えていかなければならないと思う。

AIは人が担う業務の代わりにはなれても、人自身の代わりには到底なりえない。そのことを強く念頭に置き、“人財”を大切にしていくことも、根本的な人手不足を解消する方法の一つだろう。

そしてその考え方はホテル・旅館業界だけにとどまらない。どんな仕事も業務の前に必ず人があり、その人(=人財)への慮りこそが、最も大切にして然るべき企業の考え方だ。…と、ここまでをしっかりと自分の言葉として伝えておきたいと思う。

※2023/04/27公開の記事を転載しています


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