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【連載】旅館の経営に対する10の問い-第3回

昨今、多くの旅館で人手不足が深刻な問題になっていますが、そればかりではなく、旅館によっては業績の低迷や施設の劣化による慢性的な苦情、資金繰りなど、さまざまな問題を「同時多発的」に抱えているところも少なくありません。

それらの問題の解決策は一つ一つに向き合うことが基本ですが、旅館経営においては問題の根っこが相互に絡み合っている場合が多く、一筋縄ではいきません。しかし、根っこが絡み合っているということは一つの問題に取り組むことで、他の問題にも良い効果を及ぼすことがあります。

ここでは、旅館経営それぞれの問題を解決するヒントを紹介します。思い当たる問題に対して、それを手掛かりに問題の打開を図りましょう。


【その3】

低落市場に対する歯止め策-攻めのマンネリ化を見直してみましょう

リアルエージェントからの団体送客の減少や、地元客の日帰り利用の低下など「こういう時代だからしょうがない」と諦め、放置していませんか?諦めてしまうその前に、そのマーケットやチャネルに対しての方策が果たして十分なのか、テコ入れを兼ねてもう一度見直してみましょう。

既存の市場と新たな市場、どちらも可能性の見極めを

近年、インターネット予約の加速化にともなって、「売上を伸ばすことができるのはネットだけ」という先入観にとらわれている旅館経営者や営業担当の方が多いように感じます。営業対策の効果・効率を重視して、時代の変化に合わせたマーケットやチャネルへ軸足を移していくことも必要です。また、常に新たなフロンティア市場を持つことも大切ですが、既存のマーケットやチャネルを諦めることとは別です。
なぜなら、その既存のマーケットの売上が主要な柱だとすれば、その1割減を他で補うのは容易ではないからです。

別の見方、別の切り口から攻めてみるのも◎

既存のマーケットやチャネルに対して行なっている方策を見直してみましょう。例えば、地元マーケットに対して見込顧客の精査や営業マンの行動管理の強化、あるいはチラシ折込みといった広告宣伝を投入したことで、売上に効果が出た事例があります。これは、アプローチの方法や力のかけ方を変えてみたことが成果に繋がりました。
このように、既存のマーケットそのものが枯れたわけではなく、戦略のマンネリ化が売上の低下要因になっている場合もあるのです。


まとめ

売上をはじめ、販売はあらゆる方面の可能性をとらえて「打つべき手を打つ」努力をすることが基本です。この市場は時代遅れだ、見込みがない、などと決めてかかっては、初めから負けを容認し、歯止めをかけることなどできるはずがありません。

(株式会社リョケン 代表取締役社長 佐野洋一)

※2019/12/09公開の記事を転載しています


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