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【独自調査】全国100室以上の宿サイトを調査。勘ではなくデータ傾向から貴館の営業戦略を練る3つのヒント。

★この記事のポイント★
全国100室以上、編集部独自に66軒ピックアップした宿サイトの比較結果を参考に、これから貴館が取るべき戦略や打つべき施策をぜひ見つけ出しましょう!

現在ほとんどの旅館ホテルでは、自館のホームページを情報提供や予約受付などに幅広く活用されていることと思います。しかしその大切なホームページも、日々の小まめな改訂やリニューアルなどを行うことなく、ただ漫然と運用されてはいないでしょうか。

自社の魅力をより強く発信し、またより多くの予約を獲得するなど、ホームページを有効な販売戦略メディアとして利活用するためには、これまでの経験や勘だけではなく、リアルな「今」のデータを収集・分析し、これに沿って柔軟に対応していくことが必要です。

そこで今回は、リゾLAB編集部が選定した全国の100室以上のお宿計66施設のホームページを分析ツールを使って調査し、そこで得られた結果をもとに、貴館の今後の戦略立案に役立つポイントの数々をご紹介します。



1.貴館の「目標」となる指標の先にあるお宿を見つけ、経営戦略や施策立案のお手本にしてみる

今回分析に使用したのはサイト来訪者の動向や年齢層・性別・地域などの属性を手軽に比較・分析できる、ヴァリューズ社が提供するSaaS型のWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」です。※当記事内では分析対象とした施設名は伏せています。

下記のポジショニング分析を見てみると、セッション数ではU館、BN館、AI館が上位に位置しています。

例えば、もし貴館がサイトリニューアルの際の目標として「セッション数の増加」を掲げるのであれば、これらの施設が貴館がこれから参考にすべき宿としてピックアップされます。

【セッション数と性別によるポジショニング分析】

(2021年5月より1年間、対象はPC&スマートフォン、「Dockpit」業界分析より)

また、AN館のように比較的男性客が多く、今後女性客を増やしたいのであれば、特に女性客の支持が高いBL館をベンチマークし、その施策展開を参考にしてみることもできるでしょう。

【セッション数と性別によるポジショニング分析】

(2021年5月より1年間、対象はPC&スマートフォン、「Dockpit」業界分析より)

貴館がいま業界内でどのようなポジションに位置づけられているのか、そしてこれから目指すべきポジションとどれだけ乖離しているかを可視化できることは、マーケティングツールを活用する大きなメリットのひとつ。

貴館の個性や戦略に合わせて性別や年齢、子供の有無など、さまざまな条件でのポジショニング比較によって貴館が目指すべき宿を見つけ出し、その宿の施策展開やホームページでの発信内容、デザイン表現などを参考とすることで、現状よりも実効性の高い運営を実現することができるでしょう。


2.サイト流入の主力は「自然検索」&「指名キーワード」

次のグラフでは、これらの宿のサイトを訪れたユーザーがどのような経路でサイトに流入しているのかを確認できます。

この調査結果からは、「地域+旅館」での検索ではなくほぼ指名キーワードによる「自然検索」55.4%と、「公式ホームページへのリンククリック」による「ノーリファラー」28.8%を合計した、実に84.2%ものユーザーが、あらかじめ利用したい宿をノミネートした上でサイトを訪問していることがわかります。

この事実から「自館を指名してくださるお客様を取りこぼさない」ことの大切さが読み取れます。

【サイトへの流入経路の割合】

(2021年5月より1年間、対象はPC&スマートフォン、「Dockpit」業界分析より)

また、このグラフで「外部サイト」9.5%と表示されている部分の内訳は、契約している予約エンジンやOTAからの流入を示しており、これに対して「リスティング」約2%と、「ディスプレイ広告」2%が、自社サイトでの予約増大施策からの流入となります。

安定した予約数を確保できるOTAと、指名で宿を訪れてくれるカスタマーは、そのどちらもが宿にとっては大切な存在。しかしOTAとの売上のシェア配分を考慮に入れながらも、自社サイトでの直接予約率を向上させることはこれからの宿にとって最重要の課題の一つとなることは間違いありません。

OTAに頼り切った経営から脱却し、より安定した経営をめざすのであれば、リスティングやディスプレイ広告などを活用した自社集客のプロモーションに注力し、LTV(顧客生涯価値)の向上を意識しながら自館のファンを創り育てて行くための戦略立てが特に重要だと言えるでしょう。

3.ネットでの予約獲得は、若者に共感されるコンテンツの立案がカギに?

今回調査対象とした100室以上の66軒のお宿では、年齢別利用シェアにおいて、20~30代の占める割合が全ネット利用者よりも高いという結果が出ました。

この規模の宿の場合では例えば若者の生活シーンに合わせたきめ細かな商品開発や、赤ちゃん連れやファミリー層への手厚いサポートといった施策の数々が、この結果に結びついている可能性が高いと思われます。

ホームページやデジタルメディアを通じた自社予約の獲得を強化するためには、「若年層からの共感」を強く意識した新プランの開発や、SNSの積極的な活用・発信など、デジタルに特に親和性の高い若者層の視点に立った新たなコンテンツへの取り組みこそが大きなカギのひとつとなりそうです。

【年代別のサイト訪問者数】

(2021年5月より1年間、対象はPC&スマートフォン、「Dockpit」業界分析より)


市場や観光客の動向が大きく様変わりする中、これからの自館のあり方を模索しているお宿も多いのではないでしょうか。

観光業界・旅館ホテル業界で豊富な実績を持つ株式会社エイエイピーでは、リアルタイムな「今」を捉えるデジタルマーケティングや経営戦略の立案を通じて貴館の繁栄を力強くサポートしています。

今回ご紹介した「Dockpit」は姉妹会社株式会社プロフィックスが契約しておりweb戦略の立案にデータ活用しております。些細なことでもお悩みやご相談があればぜひお気軽にお声がけください。

※2022/06/15公開の記事を転載しています


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