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変化する今こそ「私たちの行動指針」を考える ~経営の羅針盤・ミッションステートメント~

顧客が求めるものが多様化し、販売チャネルも日々変化している中、自館の価値を発信していく機会はますます増えています。

変化とともに、新しい経営戦略や新しい販売戦略を計画している旅館も多く見られるようになりました。

事業計画を組み直したり改善する上で、土台となる指針を今一度見つめ直すことをおすすめします。

「私たちの存在意義は何か」「私たちは何を使命として経営に取り組んでいくのか」ということから紐解くことで、私たちの価値が改めて浮かび上がってくるからです。

現在の経営環境に則した私たちの使命とは何か、どんな未来を目指して事業計画を実現していくのか、そして、実現するためにどのような行動指針を打ち出すべきかを考える機会にしていただければ幸いです。

今の時代だからこそ、経営の骨格となる指針を考えていきましょう。



1. なぜ今、ミッションステートメントが必要なのか

企業の価値観や社会的使命を、より具体化し明文化させてわかりやすくしたものが、ミッションステートメントです。

ミッションは「使命」、ステートメントは「声明書」であり、ミッションステートメントを直訳すれば「使命を声明書として発信したもの」ということになります。

経営理念と同義語で語られる場面もありますが、経営理念は、経営者の思いや、その会社が受け継いできたものを表現したものが多く、結果として、抽象的であったり、観念的な内容の表現になることが少なくありません。

それに対してミッションステートメントは、経営理念を具体化し行動指針に落とし込んだものです。

私たちは何者で、社会に対してどんな貢献ができるのかを紐解き、より効果的な判断基準として存在することになります。

会社の方向性を決定する局面で、経営理念では重要な結論が導き出せかったとしても、ミッションステートメントは方向性を示しているため、判断が下せることになるでしょう。

社会環境が大きく変化する中、大事なことは「私たちが提供する価値は何か?」を明確にすることです。

事業の柱となる価値を置き去りにした戦略は、場当たり的な手段にしかなりません。事業戦略を見つめなおす必要性が高まっている今こそ、経営の骨格となるミッションステートメントを一緒に考えていきましょう。


2. ミッションステートメントを構成する要素

この図にある通り、ミッションステートメントは、ミッション、ビジョン、バリューで構成されます。

ミッションは、使命・存在意義を表し、私たちが何者で、何を成し遂げるかを伝えます。ビジョンは、展望あるいは目標とともに、私たちのあるべき姿を伝えます。

そしてバリューは行動指針を表すものです。ミッション、ビジョンが会社のあるべき姿を表すとしたら、バリューは、そこに働く人・関わる人すべての価値基準となるべきものとなり、判断の指針となります。

ミッションステートメントは、企業活動の規範となる方針です。社内のみならず、社外にも発信することで、私たちの価値を広く伝える役目も担います。


3. ミッションステートメントの役割

現在、私たちの状況を振り返ってみると、日々、目の前の対応が優先となり、会社としての使命やあり方が置き去りになってはいないでしょうか?

「私たちはどこを目指していくのか」という会社としての指針を示すことで、従業員も自分たちの目指すべきものや、求められている立場を理解しやすくなります。では、その役割について考えてみましょう。

①判断の拠りどころを示す
・会社全体の戦略や経営方針の判断の軸とする
・方針への信念を持ち、ぶれることなく実行する

②従業員に「働く目的」を示す
・働く意識を統一し、行動の一貫性につなげる
・サービスの向上を促す
・会社の風土、文化を作る
・離職率を低下させる

③お客様に対する対応の基準を示す
・自社への共感と理解を促す
・自社ブランドの育成を図る
・顧客化、ファンづくりにつなげる

指針をもとに行動していくことは、顧客満足と従業員満足を同時に達成していくことにつながり、その成果として高い企業価値や業績を生み出すことになります。ミッションステートメントは経営の「道しるべ」であることを理解しましょう。

(株式会社リョケン)

※2021/08/19公開の記事を転載しています


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