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観光まちづくりを成功に導く、ユニークな3つのキーワードを徹底解説

これまでの常識から脱却し、次の時代に向けて旅館ホテルの新たな姿を確立するために、株式会社エイエイピーが立ち上げた「観光革新」プロジェクト。

旅館を熟知したエイエイピーだからこそできる、この革新への伴走型支援についてのシリーズ記事第四弾として、今回は「修景・着地・絵創」まちおこしプロデュースについてご紹介します。

※当記事は、エイエイピーのまちおこしプロデューサー第一人者に寄稿いただきました。



1.「迷わせない」

知り合いを訪ねて、知らない街に訪れたとしましょう。

どうも道に迷ったらしい。(スマホのナビ等ない頃の設定で)

当然、待っている友人に電話をかける。「今、何処に居るの?」と友人から言葉が返ってくる。「こんな公園が見える。ナントカと書いてある看板のビルが見える。」と伝えると、友人は「ああ、そこは七丁目公園だから、もう二丁ほど来た道を戻って、パン屋さんが角にあるから、店の横を入って右側の五軒目の家だよ。白い門柱に〇〇って書いてあるよ。」

これにて、一件落着である。一度ならずこんな経験をされたことがあるのでは?
この一例の大切なポイントは、「自分が何処に居るのかがわからない」という状況のコトなのです。

自分の住んでいる隣近所のことはだいたいわかる。ご町内になるとうっすらわかる。町全体のことは会報や回覧かなにかで動きを知る程度。お隣の町のことはほとんどわからない。市や県の慣習や方言は知ってるつもりだが間違っているかもしれない。ましてや県境を跨いだ先のことは皆無。それがほぼ一般的な自分の「身の周りの認識」だと思います。

実は、皆さんの温泉街や観光地に訪れるほとんどの旅行者は、その地域の「情報皆無」の方々であり、ご自分が、その地域の何処に居て、何をしたいらいいかを知らない方々であるということをしっかり認識されるコトが受け入れ側の地域には第一に必要なのです。

そんな迷い人の旅行者の方々に、一律でわかりやすく「わが街」を指南したモノはちゃんと揃えていますか?


2.「指南書づくり」

それでは次に、旅行者が土地の人に「何処を観るのがオススメですか?」「何を食べるといいの?そのお店は何処にあるの?ホントに美味しい?」などと聞いたとしましょう。

おそらくは十人十色のオススメが登場するんだろうと思います。そこに住んでいる方々は、自分の周りや知人から聞いた話しかネタはないので、これもしょうがない。

でも「しょうがない」で、済ませても大丈夫でしょうか?

実は全然「大丈夫」ではないんです。本来は街の意思として「こういう旅を味わってほしい。」というしっかりした「街の根幹」さえあれば、訪れた人たちが、ほぼ同じ最適のイメージでその街を味わい、自分の郷に帰ってからもしっかりと語り継いでくれるものです。

しかし、その語り継ぐはずの話がマチマチだったら、その街のイメージは散文をさらにシュレッダーにかけたように消えるのも早い。消えるようなBUZZ(噂)は広がらない。従って、それにつられて人も来ない。

その結果、お金をかけて造った観光案内所や道の駅も徐々にすたれて、人件費がどうの、仕入がどうのというお粗末なお話などが出て喧々諤々になる。こうなれば街は空中分解になってしまいます。

聞いてこない旅行者にも、聞いてくる旅行者にも、「この街に来たら、まずはココに行って、アレを観て、ソレを味わって。」という街の根幹にかかわるベストな過ごし方を、住む人達が共通に抱いていますか?

さらに一番大事なのは、その上にある「それを勧めるのは何故なのか?」というストーリーです。これが、よく言う「街のコンセプト」に他ならないものになります。

「言わなくてもわかっている」ご夫婦でさえ、「言わなければわかりあえない」コトは沢山あります。ましてや、ご近所同胞とはいえ赤の他人同士では「言い合って初めてわかりあう」コトだらけではありませんか?

実際、私が街の会議に参加している席上、大切な事項でさえ「こんな話をお互いにしたのは初めてだった。」というコトは大変多い。

団体旅行の時代には、「街のスタイル」は大手エージェントが造ってくれた、そればかりでなく、送客までしてくれた。その反面、「〇〇温泉の〇〇ホテル」数軒に送客が集中し、同じ地域にある少数室の旅館や民宿がその恩恵を受けるには棚落ちを待つしかしょうがなかった。そんな時代が永く続いたのも確かです。


3.「語り合いから」

しかし、今は、個人が宿も交通も個別手配する時代になった。これまで個人旅行者なんか考えなかった空白の何十年を何で埋めるのか?結論はひとつしかないと考えます。

「まず我街を一番知っている皆さんが、我街の魅力を話合う」ことがイチバン大切なコトです。そうして話し合ううちに、必ずや「街の魅力の根幹」が浮き出してきます。ここまでくれば、街おこしの80%は進んだと同じです。

あとは、「街の根幹」を、ブレないように終始徹底するにはどうしたらいいのか?こんなもてなしをする場所を設けてはどうか?地域内で共通のサービスをしてはどうか?こんなお店があれば旅行者も喜ぶんじゃないか?・・・等、前向きな考えもどんどん浮かんできます。

さらには旅行者目線に置き換えて地域を見渡せば、あの朽ちた外観の建物をなんとかできないものか?このボウボウに生えた雑草だらけの道のままでいいのか?葦だらけの川をキレイに見せるようにしてはどうか?・・・等、現状の街の景色を「街の魅力」に近づける運動も始まります。

必要とあれば、時には街の歴史を見返して、先人達がどんな街を夢見て、どんな生活をしていたのか?など深堀りすることで大きなヒントに繋がることもあります。・・・これらのことすべてが本来の「修景」活動なのです。


4.「私たちのできること」

「街の根幹」は、見えてきた。「指南書」のアイテムは拾い出した。「迷わない」ためのMAPでは地図のベースイメージと訪れて頂きたいポイントもそろえた。ここまで揃えば、街おこしはもう90%のところまで。でも最後の10%が、実は大変厄介な立ち塞がる壁でもあるのです。

ここから必要になるのが、街の「ストーリーテラー」です。所謂、物語を創る人、創作者の事です。

それぞれの街が持つ資産は、それぞれに異なり、そこに住む人たちもまた全く異なります。ご存じのとおり、街おこしに「王道などありません」まして「マニュアルや好例などもない」のが現実です。

逆に言えば、「やるだけやれば、良い結果につながる」し、「やらなければ、結果も生まないし、将来も生まれない」。でもせっかく取り組んだ、そのやり方が、ズレていたり、ブレていたりすれば、何の化学反応も生みださない。

そこにかけた時間や人や資金の投資分の殆どを無にしてしまう。そこに、第三者の視線と、大切な街の根幹を、上手に効果的に世に伝える引き出しを沢山持つ者の存在がとっても大事になるのです。

私たちエイエイピーは、創業1953年以来、観光を基軸に約70年、地域の皆さまと共にさまざまな問題解決に取り組み、時代を学び歩んで参りました。広告業界の中でこうした履歴をもつ組織は他にないと自負しています。

「個人旅行の時代」という大きな転換期の中で、私たちが

●地域のコンセプトを、街並みにどう活かしてゆくのか?/「修景」
●地域の資産を、いかにつないでそれを拡げてゆくのか?/「着地」
●最大限の効果を創り出すためにベストの表現はなにか?/「絵創」

この3つを基軸に、皆さまの街に活かしながら、街おこしのお手伝いをさせていただければ、こんな嬉しいことはない。地域の人は「街のプロ」、私たちは「伝えるプロ」です。

ベストな街おこしを推進するためにも、是非とも私たちエイエイピーをパートナーとしてワンチームのスクラムを組んでみませんか。お待ちしております。

-「学びかつ行うものは、必ず成功する。」 エイエイピー創業者 土屋金康の言葉

※2022/11/02公開の記事を転載しています


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