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【観光DX】配膳管理システム導入でスタッフの業務改革!潮彩きらら赤穂温泉祥吉の事例 

旅館・ホテルのルーティンな業務の中でもっとも煩雑な業務が集中するのがお食事時間。お客様ごとに異なるメニューを間違いなくご提供するだけでなく、お客様のお食事の進み具合に合わせてベストなタイミングで次の料理をご提供するためには、多くのスタッフが逐次リアルタイムで情報を共有し、チームとしてしっかりと連携のとれた業務が要求されます。

旅館・ホテルの「サービスの質」がもっとも顕著に表れてしまうこの時間帯。もちろんうっかりによる伝達ミスなどは論外ですから、大規模な宿泊施設ほど、その対応に苦慮しているというのが実情でしょう。

今回は、そんなお食事時間帯の業務改善のために「配膳管理システム」の導入を実施した「潮彩きらら赤穂温泉祥吉」様の事例をご紹介します。



1.膨大なお食事関連の情報を口頭や紙で管理することには、今や限界が

潮彩きらら赤穂温泉祥吉(以下・祥吉)は、兵庫県赤穂市御崎の海辺に立ち、風光明媚な瀬戸内海の四季をゆったりと味わえる宿として関西圏を中心に広く人気を博している旅館です。

高い人気を背景に、日々数多くのお客様をお迎えしている祥吉ですが、これまでのお食事提供業務はあらゆる側面で「人」を介したものでした。

そのためお客様ごとに異なる多岐にわたるお食事メニューや、その配膳の進捗状況、さらにはお客様のアレルギー情報など、お食事に関する情報に変更があるたびに内線電話や関係部署間での口頭でやり取りや、紙面を挟んでの直接確認などが発生し、関係スタッフ間での情報の共有と確認に都度都度多大な手間が掛かっていました。

どうしても煩雑で大量になってしまう情報を一元化するため、これまではお客様のお食事情報を前もって紙に書き出しておき、当日は内線電話を使って献立の進捗を報告し合い配膳を進めるなどの工夫をしていたそうですが、スタッフの移動の手間や細かな連絡のために必要な時間と労力の総計はまさに膨大なものになっていました。

さらに多くのスタッフが口頭で連絡を取っているため「言った言わない」などの手違いやミスも発生しがちだったと言います。

お食事提供業務の最大の課題だった時間と手間のロス、そしてミスの発生を撲滅し、業務効率を改善することで、今以上のサービス品質の向上へとつなげたい。そんな思いから配膳管理システムの導入を決めました。


2.配膳管理システムの導入で、お食事提供業務が一変

情報共有の時間と手間を大幅にカットするとともに、人的ミスも撲滅!

配膳管理システムを導入した結果、これまでのお食事業務に関する課題はどのように変わったのでしょう。

以前はお客様ごとの献立確認と調理、配膳の進み具合、アレルギーなどお客様の個別情報やお好みなどの情報を、逐一内線電話やスタッフ間での口頭でのやり取りによって行なっていた祥吉ですが、システムの導入後はこれらが一変!

各スタッフが持っているスマホ1台で、あらゆる情報の閲覧やリアルタイムでの状況確認、更新までが可能になったので、誰かに伝えるべきことがあっても該当するスタッフをつかまえる手間すら必要としなくなりました。

情報確認の際にもスマホを見るだけで済むため、あらゆるスタッフがその場を移動する必要もなく、自分の担当部署の業務に専心することができるようになりました。

システムの導入以前は、あらかじめ紙媒体に書き出しておいた献立情報を元に、スタッフ間でアナログでの繰り返しながら配膳業務を進めていましたが、この煩雑な業務も姿を消しました。

現在は数パターンある献立をあらかじめプログラムに登録しておき、個々のお客様の情報をアップロードしておくだけで自動的に各スタッフのデバイスや調理場のモニター、フロントのPCにあらゆる情報を表示することができるようになりました。


業務改善にとどまらず、サービス品質の向上にも貢献!

客室係(配膳係)においては、このシステムによって献立の間違いや配膳の順番間違い、お料理の出し忘れなどのミスが大幅に削減されることに繋がり、一方で調理場においては、このシステムの導入が特に省人化・効率化に高い効果を現しています。

お客様ごとの配膳の進み具合を確認するという業務が大幅にカットされたため、厨房スタッフがそれぞれの作業に集中できるようになり、最小限の人員で稼働させることができるようになりました。

これまでの「人の手による確認業務」がなくなった結果、業務効率の改善と向上はもちろん、スタッフ間での連絡の手間や、移動の労力と時間が削減。

その時間と手間を他の業務や部署内での打ち合わせ・コミュニケート時間に割り当てたり、またお客様へのおもてなしを厚くすることに振り向けることができるようになり、最大の目的であった業務改善にとどまらず、宿としてのサービス品質向上にも結びつくこととなりました。


3.おもてなしに専心できる業務環境づくりを最優先に、今後も改善を重ねる

業務効率改善の各種提案から導入後の各スタッフへの説明や不明点についての対応、またシステムエラー対応や動作安定性の改善などに至るまで、株式会社エイエイピーの全面サポートによって進められた今回の配膳管理システムの導入。

宿側からは導入後の現状について、システムを十分に理解しているスタッフがまだまだ少ないことから、今後も定期的にすべてのスタッフが理解を深めていけるよう、オンライン指導やスタッフ同士の意見交換の時間を割くなど、システムをより効率的に稼働できるよう積極的な取り組みを続けていきたいとのお声もいただいています。

祥吉が最終目標とするのは、業務改善そのものではなく、スタッフの効率稼働やミスの改善によってお客様へのおもてなし品質を向上させること。さらには宿としての評価と稼働をこれまで以上に高めていくことにあります。

その大目標を実現していくために、今後もこのシステムを継続的に拡充させ、同時により効率的に使いこなすことを目指しているとのことです。

お料理を作る厨房スタッフ、それをお客様にご提供する客席担当者、そしてお客様のお食事情報を統括管理するフロントスタッフまで、お食事のご提供に関わるすべてのスタッフが、スマホ1台でつねにリアルタイム情報を共有できるのが「配膳管理システム」の最大のメリット。

お食事のご提供につきものだった業務の混乱をスッキリと解決し、人の伝達によるミスやロスを防ぐこのシステムの導入によって、あらゆるスタッフの手間と時間を、もっとも大切な「お客様への接遇」へと集中させることができ、サービス品質の向上を実現。ひいては宿のグレードや価格帯のアップなどまでを視野に入れた稼働をめざすことも可能です。

システムの導入にあたっては経験豊富なエイエイピーが貴館の状況を詳しくヒアリングした上で、システムの構築にとどまらず、貴館がめざす目標の達成に向けた稼働・活用の仕方まで、業務ルーティンをフォローしながら着実に進めていきますので、ぜひお気軽にご相談ください。

※2021/05/27公開の記事を転載しています


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