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池の平ホテルで「旅館大学セミナー」開催。「令和6年 旅館の経営指針」も発表!

株式会社リョケン(佐野洋一社長)は、12月12、13日に長野県・白樺湖の「池の平ホテル」で、通算168回の旅館大学セミナーを開催いたしました。

池の平ホテルは2023年4月に、開業当時から67年間営業してきた本館を解体・新築しグランドオープン、新本館には、ロビー・フロント、レストラン、大浴場、土産処などパブリックスペースを集約。
客室を73 室新設し、数年来実施してきた既存客室(東館・アネックス館)の改修と合せて、客室総計245室になりました。

初日に池の平ホテル&リゾーツ矢島義拡社長が講演し、白樺湖エリアの歴史や現状課題、リニューアルの目的など説明しました。また2日目はリョケン佐野社長による基調講演のほか、研究員によるリレー講演も行われました。


■日本にも「レイクリゾート」の概念を


(株式会社池の平ホテル&リゾーツ 代表取締役社長 矢島義拡氏)

増改築を繰り返してきた施設は、客室からレストランや大浴場までが遠くお客様にご不便をかけ、またスタッフのサービス動線も悪く、満足度や作業効率という点で課題が大きかった。
そのため、新本館建築の基本方針として、①各施設に繋ぐハブ(核)施設として各棟間の動線を簡素化すること、②主要施設を集約し最新の設備システムを導入すること、③食事会場の集約により厨房の一元化を図ること等を掲げ、実現に向けて取り組んだ。

全体的に湖との距離感を考えた空間づくりにこだわり、テラスや温泉などお客さまがゆっくり過ごす場所では、より湖を身近に感じていただけるよう「-THE LAKE RESORT-新本館が表現する白樺湖との一体感」をコンセプトのひとつにしている。
またもう一つのコンセプトとして「-信州五感のショーケース-地域の魅力を体感する空間づくり」をキーワードに、館内のしつらえや食事・お土産などで、長野県内の事業者とタイアップした商品づくりにも取り組んだ。

またコロナ禍の事業であったことを有益に活用し、社内プロジェクトチームを立ち上げ、スタッフもこの投資に対する当事者意識を高めモチベーション維持を図った。その他、IT化、省エネ、働き方改革などもリニューアルに合わせ検証し、さまざまな新しい取り組みを導入した。

宣伝PRにおいては、PR戦略へシフトし、コンテンツの造成に加えて、ブランドPRやCSRへの対応を意識し、リニューアルを機に会社の取り組みを発信するコミュニケーションへ転換した。

今後の展望と課題として、飲食形態の多様化、滞在中の付加価値化商品とともに、地域として観光客はもちろん、事業者や住民を迎える「住観光インフラ」の体制づくりを作っていかなければならないと話し、その上で、欧米などに見られる「レイクリゾート」の概念を日本にも根付かせていくことを目指し、ライフスタイルやリゾートでの過ごし方を定着させるための役割ができればと結んだ。


■根を下ろす経営 アイデンティティを確立せよ

(株式会社リョケン 代表取締役社長 佐野洋一)

コロナ禍の脅威は去り、観光需要はほぼ回復した。しかし一方で旅館の軒数は減少を続け、人手不足は大きな課題となっている。また、市場の拡大を目当てに大資本、外国資本による新たな宿泊施設が次々に生まれ、いわば「新たな観光バブル」に向かいながらも、コロナ前以上の厳しい戦いに突入していると、観光業界の現状を振り返った。

その上で、2024年に臨む4つの視点をあげ、「コロナ前比で見るべき時期は終わった」「30年余りの常識から抜け出すべき時」「あらためて世界から日本を見るべき時」「人の問題の仕切り直しをしていくべき時」とした。

本年の旅館の経営指針は「根を下ろす経営」。根を下ろす対象としては「顧客に」「人・組織に」「地域に」の3つとした。
「顧客に根を下ろす」という考え方に対しては、何で支持されるか、またどういう人に支持を得るかを戦略的に考える「顧客支持第一主義」を掲げた。

その中で、精神的支柱となる軸を持つために、昔からある経営理念を体系的に展開した「パーパス経営」の考え方を取り入れてみることも一つの戦略とした。

パーパス・・・我が旅館は、何のためにこの世に存在するのか?
ミッション・・・どんな使命を果たしていくのか?
ビジョン・・・将来どんな姿を目指すのか?
バリュー・・・どのような価値を大事にしていくのか?

これらを示すことで、根を下ろす経営の太い根を作る手段につながるとした。

また「人・組織に根を下ろす」に対しては、課題は、人材の確保、効率化と充実感達成の両立、意思統一の3点に集約されるとした。
その上で、現場の実態・実情・意識を知る、基礎固めをするために必要な仕組みを整える、きめ細やかな意思疎通、サポートをするためにミーティングや面談などのコミュニケーションの場づくりなど、企業としての意識・姿勢・行動を末端まで浸透させる大切さを伝えた。

また副題となっている「アイデンティティを確立せよ!」については、経営者と社員のマインドの中にこそ育まれるもので、「自信・誇り・プライド」が根を下ろす経営の原動力となるとした。

最後に、旅館は商売であるとと同時に、社会装置としての様々なプラットフォームの役割を担っているとし、顧客に、人・組織に、そして地域に、あらためて深く根を下ろしていくことを考えていただきたいと結んだ。


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