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【観光DX】今、再注目されるデジタルスタンプラリーのメリットとは。接触や密を避けて、地域周遊促進を。

まだまだ収束の見えないコロナ禍において、イベント開催時は参加者の入場規制、マスクの着用、定期的な消毒作業、ソーシャルディスタンスの確保などが必要となり、これまでよりも運営側の負担が大きくなることが1つの懸念点になっているのではないでしょうか。

そのような状況下で、注目されているのが「デジタルスタンプラリー」です。旅館・ホテル業界に置き換えて考えてみますと、自治体や観光協会等と協力し、地域一体となり実施されることが多数です。

台紙の受け渡しや多くの参加者が触るスタンプを利用しないスキームで開催できるため、安心して参加できると人気が高まっています。そこで今回は、デジタルスタンプラリーのメリットや予め検討しておくとよいことをご紹介いたします。

★この記事のポイント★
接触や密を避けたイベント開催が可能なだけでなく、滞在時間を延ばして消費活動に繋げられることがデジタルスタンプラリーのメリット。上手に活用して地域周遊促進に繋げていきましょう。



1.今、注目されるデジタルスタンプラリーとは

デジタルスタンプラリーとは、スマートフォンやタブレットのモバイル端末のみで複数のスポットを周遊するキャンペーンです。専用アプリをインストールせずに参加が可能なキャンペーンも多く、QRコードやGPS機能で位置情報を取得することで、参加者が訪れたスポットを把握することが可能です。

例えば、QRコード機能を利用したラリーイベントの場合、まず、参加者は専用サイトのフォームでメールアドレスなどの情報を入力して登録を完了させます。その後、対象ラリースポットへ行き、掲出されているポスターに掲載されたQRコードをスマートフォンなどのモバイル端末で読み取り、デジタルのスタンプを獲得。集めたスタンプの数によって賞品を選択するといった流れです。


2.集客だけじゃない。滞在時間を延ばすことで消費活動にも直結

実際のスタンプを利用したアナログ式ラリー同様、対象のラリースポットを周遊し、スタンプを集めて制覇するゲーム性と賞品を手に入れられることが参加者のモチベーションの向上に繋がります。そのため、市町村など地域の観光キャンペーンや、鉄道会社や道の駅でのイベントとして、参加費無料で開催されることが多い集客プロモーションのひとつです。

市町村など地域の観光キャンペーン場合は、ラリーポイントを観光施設をはじめ日帰り温泉ができる旅館・ホテルなどを設定。それらスポットで参加者が利用できるクーポンなどを発行し、集客のみならず消費活動にも繋げることが可能です。

また、人気アニメのキャラクターの絵柄のスタンプを収集して制覇を目指すラリーや、映画のロケ地を巡るラリーなど、コラボレーション企画も多く開催されています。こうしたコラボレーションによる参加者が魅力的に感じる付加価値を企画に加えることで、より集客効果の高いキャンペーンにすることが重要です。

一般的にはラリースポットは5~10箇所に設定される場合が多く、スポットの設置箇所が多いほど、周遊率・回遊率があがる傾向にあるといわれています。複数のスポットを周遊してもらうことで、観光客が比較的少ない対象エリアの滞在時間を延ばすことができます。


3.デジタルスタンプラリーの4つのメリット

①新型コロナ対策に留意した開催プランが可能

前述通り、スタンプ押印やスタンプ台紙の受け渡しをせずに行えるキャンペーンスキームというデジタルならではの強みにプラスして、密を避けることができます。

例えば、アナログ式ラリーの場合、人気のラリースポットやゴール地点(抽選会場など)での混雑が発生することが多いですが、デジタル式ラリーの場合、スマートフォンなどの端末の利用で完結できるため、このような懸念事項もありません。

さらに、参加者のスマートフォンなどの端末のデータを分析することで、スポットの密集状態や人の動線が分かります。

つまり、参加者が集中して訪れた人気ラリースポットを把握し、次の開催ではそのスポットとは別の場所(例えば集客数が少ないスポット)を選定し事前に「密を避ける」新型コロナ対策が可能です。


②リアルタイムで参加者の属性の把握が可能

アナログ式ラリーとは異なり、サイトの専用画面からリアルタイムで参加状況を把握・管理することができます。

例えば、参加者の性別・年代などの属性・時間帯分布や行動記録などのデータを収集することが可能な為、開催期間の途中で参加数の少ない属性やエリアにターゲティング広告などでアプローチすることが可能です。


③キャンペーン運営のスリム化が可能

参加者のスマートフォンやタブレット等の端末の利用で完結できる企画の為、開催期間中のスタンプ台紙の不足による追加手配や、過剰印刷によるロスがありません。また、アナログ式ラリーと比較すると、下記の対応が不要となり運営のスリム化が期待できます。

●スタンプの作成、スタンプ台紙やマップの印刷
●開始前のスタンプ台の設置及び終了後の撤去
●スタート地点、ラリーポイント、ゴール地点の会場および配置スタッフ
●スタンプの盗難防止の対策(チェーンでの固定等)
●インクの補充・交換、スタンプやスタンプ台が破損した場合のメンテナンス
●スタンプなどの備品の定期的な消毒作業
●ゴール地点での抽選や賞品の配布、アンケート業務
●手入力による参加者情報の取りまとめ


④参加者のモチベーションの管理が可能

キャラクター壁紙やフォトフレームなど、発送費用がかからない「デジタルギフト」を参加者全員へのプレゼント特典にすることで、参加者のモチベーションの管理ができます。

また、開催前に、上記デジタルギフトを大々的に宣伝し、キャンペーンの事前登録機能を利用した参加者の囲い込みするプロモーション戦略も効果的です。

コロナ禍でのキャンペーンやイベントの開催については、慎重に慎重を重ねて検討することがもちろん必要です。しかし、中止や規模縮小だけがその答えではなく、Beforeコロナと異なった対策をした上で開催し、お客様であるキャンペーン参加者と企業の心の距離を近づけることも重要な企業活動のひとつだと言えます。


4.導入にあたって予め検討しておくと良いこと

デジタルスタンプラリーの導入に際して、分かる範囲で下記事項を確認・検討しておくと依頼がスムーズになります。

【確認しておきたい情報】
・実施期間
・予算規模
・スタンプラリーの概要(実施イメージ)
・スタンプ取得方法(QR、GPS等)
・スタンプ取得地点数
・想定景品
・景品付与タイミング
(スタンプ◎個でB賞、全スタンプ取得でA賞等)
・景品付与方法(抽選応募、景品と引換え等)

とは言っても、どのくらいの実施規模を想定すればよいのか、そもそもGPS方式とQR方式の違いとは、といったお悩みもあるかと思います。デジタルスタンプラリーの基礎知識を得た後は、システム選びのポイントについて下記記事よりご覧ください。

※この記事は2020年8月20日に公開した記事を再編集しています。
※デジタルスタンプラリーは、株式会社トラストワイズプロダクションの商標または登録商標です。

※2022/08/17公開の記事を転載しています



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