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旅館の売店の売上アップのために見直したいポイント3選

多くの旅館内にある「売店」は旅館にとって大切な収入源のひとつです。

団体旅行が主だった時代は、隣近所にお土産を配る文化などもあり、売店は大きな売り上げを上げていました。しかし、バブル崩壊後、団体旅行から個人旅行への変化に伴って大量買いもなくなり、自分のための消費が中心になってきましたので、旧態依然とした品揃えの売店は苦戦を強いられることになりました。

売店の売上を上げるためには、客層の変化に合わせた館内発信のプロモーション、売店販売のイベント化、商材の見直し、ディスプレイ・POPなどの見直しが必要です。

今回は、旅館の売店の売上アップのために見直すべきポイントを詳しく解説していきます!


売店の売り上げをアップさせるには

お客様の満足度を高めるために、客室や温泉施設の環境を整えたり、新しい料理メニューを取り入れたりさまざまな取り組みを行うなかで、売店というのは意外とその存在価値を低くみられがちかもしれません。

売店を魅力ある存在として位置付けることができれば、その旅館の見所のひとつとなり大きな利益を生み出す部門となる可能性があります。売店の売り上げが思うように伸びていない場合には、現状を見直ししたうえで問題点を洗い出していくとよいでしょう。

では、実際に旅館の売店の売り上げを伸ばすためには、どのようなことに取り組めば良いのでしょうか。
売店の売り上げというのは「来店者数×購入数×商品消費単価」によって決まるため、売り上げを上げるためには上で挙げた係数それぞれに対する底上げが必要となります。これらのことを踏まえた上で、売店の売り上げアップのために見直すべき3つのポイントについて詳しく見ていきましょう。


1.来店者数を増やすための工夫

旅館の売店の売り上げを伸ばすためにまず見直すべきなのが、来店するお客様の数を増やすということです。どんなに魅力的な商品を数多く扱っていたとしても、お客さまが立ち寄ってくれなければ商品が売れることはありません。

では、どうすればより多くのお客様に足を運んでもらうことができるのでしょうか。

ここで大切になるのが、「お客さまが立ち寄りやすい動線上に売店が設置されているか」ということ。チェックインからチェックアウトまでお客様がその旅館内でどのように過ごすのかをイメージしながら売店の位置が最適かどうかを確認してみましょう。

とはいえ、もし売店の設置されている場所に問題があったとしても、売店の位置を他の場所に移すということはそう簡単にできることではありません。その場合には、各客室に売店の魅力をアピールする案内を置いたり、チェックインをしたお客様に売店をおすすめする声かけをしてみたりという方法でカバーすることは可能です。

また、タイムセールを実施してみたり、お得感のあるイベントを企画してみたりというのも良いでしょう。売れ筋アイテムや人気のお土産を集めたコーナーを目立つところに設置したり、ちょっとしたお菓子やインスタントフード、アメニティなど近隣のコンビニで購入されがちな商品を揃えておいたりという工夫もよいでしょう。

また、可能であれば、温泉の浴場でアメニティを販売したり、ラウンジやロビーなどで飲み物を販売したりというように、売店以外の場所に売り場を設けることを検討してみましょう。


2.売店の滞在時間数を長くするための工夫

お客さまが売店に足を運んでくれたら、じっくりと時間をかけてショッピングを楽しんでもらえるように努めましょう。なぜなら、売店での滞在時間が長くなればその分、売り上げが伸びる可能性も高くなるからです。

また、活気のある売り場というのはお客さまを引き寄せる魅力となります。売店を訪れたお客さまにさりげなく商品の説明をしてみたり、おすすめのお土産をご紹介したり、お客さまとのコミュニケーションを積極的に取ることも心がけるとよいでしょう。

取り扱っている商品が多い場合には、POPを工夫することでそれぞれの商品の魅力を効果的に伝えることも可能です。

例えば、特産品などがなかなか売れないという場合にはその商品の魅力が伝わっておらず「買う理由がない」と思われていることが問題のため、その商品の魅力はなにか、なぜその商品を買うべきなのか、おすすめポイントがひと目で伝わるようなPOPをつけましょう。

POPを作る際には、従業員の名前を添えてその人が好きな商品について紹介するのがおすすめです。実際にその旅館で働いている人が紹介することで、お客さまの購買意欲に効果的に働きかけることができますし、そのPOPを客室や館内の廊下などに貼っておくことで、売店へ足を運んでもらうきっかけにもなるでしょう。

また、スタッフが実際に商品を試すことで、商品理解が深まり、お客様への説明に説得力が増す、というメリットもあるかもしれません。


3.購入数を上げるための工夫

お客さまひとりあたりの購入数を上げるためには、ターゲットとする客層にあった商品を揃えておく必要があるでしょう。特に、土日と平日、季節ごとによって客層が異なる旅館の場合には、それぞれの客層に向けて商品を用意することも大切です。

例えば、夏休みなどで子ども連れのお客さまが多くなる時期にはご当地スナックなどを多めに扱ったり、年齢層が高いお客様が多い場合には地元の素材にこだわった商品など、単価の少し高いものを揃えたりしても良いでしょう。

季節や客層に応じて商品をこまめに見直すことで、お客さまのニーズをみたし購入数アップにつなげることができるはずです。

また、新しい商品を取り入れる場合には実際にその商品を試してみることも大切でしょう。お客さまの立場になって本当にその商品に魅力を感じるのかしっかり見極め、厳選された商品を揃えることが大切なのです。

様々な部門間で協力しながら作り上げていく売店

人手不足の影響で、売店の専任者を置けない旅館も多いようです。その場合、他の部門のスタッフが兼任で売店を担当することになります。

しかし、責任者ひとりだけでは、本当によい改善施策が出せるとは限りません。売店を盛り上げるために、プロジェクトチームを結成し、施設一丸となって売店を作り上げていくことも必要です。様々な部門間で協力することによって、様々な角度から施設の魅力を伝えられるような売店運営が行えるのではないでしょうか。

売店というのは店作りの仕方ひとつで、その旅館の大きなアピールポイントにもなり得る存在です。手書きのPOPなど工夫次第で改善できることはたくさんありますので、できるところからすぐに取り組んでいきましょう。

※2020/02/17公開の記事を転載しています


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