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人手不足をDXで乗り切る、伊豆の老舗・稲取銀水荘の挑戦

コロナ禍からの復活が眼前のものとなり、観光の賑わいが日々戻りつつある中で、今旅館ホテル業界で最大の悩みとしてクローズアップされているのが人手不足の問題です。

インバウンドの回復によって海外からの訪日客増大への期待感も膨らむものの、コロナによる宿泊客の減少に対して大半の宿が人材対策を行ってきた結果、急増するお客様に対してその受け入れ体制の再整備が追いついていないというのが多くの宿の実情ではないでしょうか。

今回の記事では、デジタル館内案内「ポケやど」などのDXツールを積極的に導入することで、こうした人手不足の問題を解消するとともに、スタッフの労務環境の向上や、さらにはお客様満足度のアップにも結びつけている伊豆の名宿・稲取銀水荘の取り組み事例をご紹介します。


1.労務面やお客様へのおもてなし面で、紙媒体による館内インフォメーションには限界が

長い歴史を誇る銀水荘では、これまで他の多くの旅館ホテルと同様に、客室に配備したステーショナリー内に多くの印刷物をファイリングするスタイルの館内案内を使用していました。

しかし館内施設の営業時間をはじめ様々な情報が変わる都度、記載情報の修正と印刷を行い、スタッフがファイリング作業を行う必要があり、この煩雑な業務とコストを何とか改善できないかという課題を抱いていました。

その回答として導入に踏み切ったのが、お客様のスマホにつねに最新の館内情報を直接届けられる「ポケやど」です。

リゾLABの過去記事でもご紹介しているように、紙の館内案内に関わる業務改善は全国のどの宿も抱えている共通の悩み。つねに新しい情報を手軽に提供することのできる「ポケやど」は、スタッフの省力化を大きく推進するのはもちろん、お客様に対しても従来以上のおもてなしを実現できるDXツールです。


2.シンプルで使いやすい「ポケやど」の導入後は、煩雑だった業務が飛躍的にスムーズに

実際に「ポケやど」を導入する際は、システムの概要から活用手順に至るまでの丁寧なサポートを受けたため、大きなトラブルはなかったという銀水荘。

オリジナルのコンテンツ作成が簡単にできること。ドリンク等の販促も写真を使ってブログ感覚で作成できること。また管理面においても、従来からなじみのある宿泊予約サイトなどのUIに類似した画面・仕様のため、必要に応じて自社で適宜修正ができることなど、導入直後から現場でも「ポケやど」の多彩な機能を自在に活用した業務改善がスムーズに進められました。

ユーザーページの表示もスムーズで、オンラインでの複雑な機能がない分だけシンプルで使いやすい「ポケやど」。銀水荘では、新しい情報を素早く手間なくお客様へ届けられる点において、これまでの紙の館内案内とは一線を画したこのツールをとても便利に活用しています。

またこうしたスタッフ側の労務面での改善に加えて、導入後に新たに目につくようになったのがお客様側の好意的な反応です。紙からデジタルへの大きな変更となることから、使い方に関してもお客様から相当数のお問い合わせがあるだろうと予測していた銀水荘ですが、いざ蓋を開けてみると「ポケやど」はお客様のユーザビリティにも配慮した誰にでも使いやすいしくみのため、意外なことに「使い方がわからない」といったお客様からのお声はほとんどなかったのだそうです。

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3.懸念していたベテランスタッフからも「スマホ感覚で扱いやすい」と好評の声が

お客様が手軽に使えるシンプルな館内インフォメーションとして、またスタッフの立場からも従来以上に管理がしやすい「ポケやど」ですが、比較的中高年以上の従業員が多く在籍する銀水荘では、紙からデジタルへの移行に際してある程度の抵抗感も想定していました。

しかしながら実際の導入に際しては、そんなスタッフ側からもネガティブな反応がほとんどなかったことは大きな驚きだったと言います。

近年、銀水荘では従業員用の携帯電話をスマートフォン化したり、一部の部門では二次元コードを活用した情報共有を実施するなどの取り組みを推進しており、それも導入のハードルを下げるためことに一役買ったかもしれないと分析しています。

また社会的に見てもスマートフォンを介したサービスの利用がもはや一般化し、従業員の生活もこうしたライフスタイルが当たり前のこととして定着していることを改めて実感したそうです。

導入・稼働後は特に多くの更新情報を取り扱う売店や料飲などの販売部門のスタッフから「これまで以上にタイムリーに、お客様に情報が届けられるようになった」と好評の声が。

その他にも「お客様が施設外にいても、いつでも情報を閲覧できる」「公式ホームページよりもコンテンツが絞り込まれている分、必要な情報が探しやすい」「お客様自身のスマホ端末を用いているため、客室内インフォメーションに係る備品管理の手間がほとんど不要になった」などの声も聞かれるそうで、銀水荘では正規スタッフはもちろん、まだ館内に不慣れなアルバイトや新入スタッフにも銀水荘を熟知するためのツールのひとつとして紹介・活用しているとのことです。

4.DX化は努力目標ではなく、これからの旅館ホテルにとって必須の課題

ご紹介した「ポケやど」の他にも、銀水荘では館内パブリックスペース清掃やレストラン内でサービスロボットの活用を着実に進めるなど、様々なDXツールを積極的に導入・活用することによって、これまでの業務を大幅に改善。さらにこの取り組みで業務の大幅な効率化が実現されたことを背景に、繁忙期においての超短期雇用などにも挑戦しています。

「DXやそれを通した働き方改革は、目標やチャレンジではなく必ず成すべき課題です」と言う銀水荘では、旅館の業務やサービスが担う仕事は多岐に渡って複雑ではあるものの、DX化を推進する中でこれまでの業務のあり方を改めて見直したり、また整理するための良い機会として、前向きにとらえています。

特に人と人との触れ合いを求められる地方の宿では、業務の効率化と並んで「人が働きやすい環境を整えること」もDX化の重要なポイントのひとつとなります。

単純作業や形式的な業務をDX化し、従業員がお客様との純粋なコミュニケーションに使える時間を増やすこと。そしてスタッフの心身に負担の掛かる業務をDX化によって代替し、スタッフがいつも生き生きと笑顔で働ける環境にすることを大きな経営課題として掲げる銀水荘では、つねに「銀水荘で働くことが楽しい」「いつまでも銀水荘で働きたい」とスタッフが心から感じられるような職場環境を実現していきたいと考えているそうです。

▶銀水荘公式サイト

▶「ポケやど」の概要資料はこちら

※2023/03/09公開の記事を転載しています


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