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クチコミ返信 最近はAIでも用意できてしまうものの・・・

ネット上のクチコミは、OTA経由の評価だけでなく、Googleマップなどの地域検索でも表示されるようになりました。おほめのクチコミだけならまだしも、ネガティブコメントや苦情となると、見過ごしておくわけにもいきません。クチコミ返信は、誰の担当でしょうか。「AIが主担当です。」というところもあるでしょうか。

いずれにしても、クチコミの返信によって私たちの商品や熱意を示すことができますし、お客様の予約行動に大きな影響を与えるのですから、A Iを使うにしても使わないにしても、ポイントを押さえて効率よく、効果的なコメントを載せるように取り組みたいものです。

ここでは、返信コメントのチェックポイントを5つのコツとして見ていきます。



【チェックポイント1】未来のお客さまへのメッセージになっているか


文章表現はクチコミを書かれたお客様に宛てていますが、返信文の中身は、自館に泊まるかどうか迷っている方に宛てていることを意識しましょう。

ご指摘に反論したり、謝罪しても言い訳が長すぎると感じさせたり、おほめのことばに乗じてPRをし過ぎたり、ということになっていないでしょうか。そのような内容の返信文は、せっかく未来のお客さまになりかけている人を遠ざけてしまいかねません。

これを読んで、自館に泊まりたくなる、あるいは自館を好意的に見ていただけるような内容になっているかを念頭にことばを選びましょう。

また、親しみを感じていただくような文体がよいか、ていねいさや品格を感じさせる文体がよいか。ここは、宿の雰囲気、伝えたいイメージにつながる文体であるかにこだわりたいものです。

【チェックポイント2】感謝ではじめ、感謝で終わっているか


感謝は、相手の心を開くカギです。
次の文章を比べてみます。
 
A:この度のご指摘の件、たいへん申し訳ございませんでした。
実は、その当日は・・・
 
B:この度はお時間を割いてご指摘いただきましたこと、お礼申し上げます。そして何より、あらためて心からのお詫びを申し上げます。
実は、その当日は・・・
 
いかがでしょうか。

お詫びに続けて返答や解説を書かなくてはならない場合、Aのように書くと、言い訳がましく感じます。すなおにお詫びをしているようでいて、お客さまとの間に溝を感じさせています。

Bは、まずお客さまの近くに歩み寄って話をしようとする印象があります。しかも、先にお礼を述べてからお詫びを述べることで、お礼以上にお詫びを申し上げたいという気持ちが表現されて、さらにお詫びに重みを感じさせる文章の運びにしています。
 
さらに、結びの文章も感謝のことばを基本とします。

〇〇さまのような、私どもを思って厳しくもていねいにご指摘いただけたことにあらためて感謝し、お越しくださるみなさまにご満足いただける宿づくりに、力を合わせて取り組んでまいります。
ご意見をいただき、ありがとうございました。



【チェックポイント3】PRは書き過ぎ・無関係・繰り返しに注意しているか


クチコミ返信はPRのチャンスとばかりに、これは返信の書き込みなのか宣伝の書き込みなのか、気になる時があります。

特にご満足いただけているクチコミには、次回の来館につなげるPRを添えることは欠かないと方針にしているところもあるかもしれません。

しかしながら、読む人は宿の姿勢や実際に利用した人の意見を知りたくて、クチコミやクチコミ返信を読むのですから、読みたい気持ちのない人に押し付けてしまうようなPRが、逆効果になってしまうことに注意しなくてはなりません。

書き過ぎ
クチコミ返信文章全体に対して、適正な範囲は3割程度まで。5割を超えるのは危険信号です。

無関係
お客さまの文章に沿ったPRに心がけましょう。料理のことをほめてくれていれば、次の季節で展開する料理プランのこと、温泉をほめてくれたら、貸切風呂や露天風呂客室プランのこと、というように、PRの内容をしぼることも必要です。

お客さまが全く触れていないことをテーマにしたPRは、自己主張にしか思えないかもしれません。

繰り返し:
熱心なお客さまは、10件くらい遡ってクチコミを読むのはよくあることでしょう。当然、同じPRが登場すれば、そのPRだけがコピー&ペーストで返信していると思わせるだけでなく、クチコミ全体に心がこもっていない印象を与えてしまいます。

いくつものことを大量にPRしてしまわず、小出しにすることで、繰り返しのPRを避けることにつなげられます。


【チェックポイント4】苦情のクチコミへの返信ステップを踏まえているか


   投稿のお礼と、それ以上に心からのお詫びを申し上げたいと書き始める。お客さまのことばから、宿泊への期待感を汲み取り、せっかくお越しいただいたのに、満足いただけなかったこと、不快な思いをさせてしまったことを本当に申し訳なく、残念でならないという気持ちを述べ、さらにお詫びのことばを重ねます。
 
   次に、同じことを繰り返さないために、どのように取り組むことにしたのかを述べます。具体的な改善策を述べる場合もありますが、それよりも、今回のご意見を重要な課題として、当事者だけでなく会社全体で改善に取り組むことを約束する、というような内容を書き添えるのを忘れません。
 
   最後は前述のとおり、感謝で返信を締めくくります。間違っても、PRを添えてはなりません。通常の記入者が特に役職名なしで記載している場合にも、この場合に限っては、関わった部門の所属長や支配人名で出すことで、このようなご意見を重く受け止めていることが伝えられます。名前を出さずとも、せめて役職名だけでも記載したいものです。


【チェックポイント5】満足のクチコミを最大限に生かしているか


感謝のメッセージをストレートに書きやすい内容だからこそ、当たり前にならない工夫をしましょう。そのご意見がどのように私たちを喜ばせているかを具体的に書いてみましょう。

・本人に伝えたところ、どのような反応やことばがあったか。
・その時の様子をあらためて、みんなで思い出して話をしたこと。
・ご感想をミーティングで発表させていただいたこと。
・そのご意見で、私たちが大切にすべきものがよく理解できたこと。

このようなことを、書いたうえで、お客さまのような方に私たちは支えられて、ますますお客さまに喜んでいただける宿づくりに一生懸命取り組むことができます、というような決意を述べましょう
 
いかがでしょうか。

クチコミ返信のコツを押さえて、それを読んだ未来のお客さまの心をとらえていきましょう。

大切なことは、私たちの想いがお客さまの心に届くように、表現方法を工夫することだと思うのです。 



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