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新潟県観光協会が「観光関連事業者向けのインバウンド勉強会」を開催、そのレポートをお届けします

これからますます人口減少を迎える日本で、観光客を増大させるためにはインバウンドが最大のカギとなります。

新潟県観光協会では未来の新潟の観光を支えていくために、インバウンドに対する意識をより高めるとともに、確かなマーケティングスキル・受け入れのスキルを身に着けた次代のリーダーを育成し、それぞれが各分野の中核となることで新潟県全体のインバウンドに関する連携を高めていくことを目的として、観光関連業者向けのインバウンド勉強会「新潟インバウンドカレッジ」を実施することとなりました。

エイエイピーでは2022年5月に自社企画をプロポーザル提案。6月に採択の決定を受けて、翌7月から2023年2月にかけて「新潟インバウンドカレッジ」全8回の開催をサポートしました。


1.新潟インバウンドカレッジの事業概要

次世代の新潟の観光を担う人材を育てるインバウンドカレッジでは、インバウンドの受け入れ態勢の整備拡充、各種コンテンツの磨き上げ、商品の企画造成、協業ネットワークづくり、販売ネットワークの構築などを具体課題として、旅館ホテルの担当者・観光体験事業者・観光協会の担当者・観光行政の担当者などを主たるターゲットに据えました。

新潟でインバウンドを推進する上で、参加者の方たちに身に着けてもらいたい3つの力を設定しました。
1)リーダーシップ(巻き込み、引っ張ること)
 インバウンドが新潟の持続可能な未来に 必要なことである理解が促進され、影響力を発揮できるリーダーシップを身に付ける。
2)マーケティング(理解し、理解されること)
 インバウンド旅行者のニーズにおける国内向けの観光との共通点・相違点を理解し、海外旅行者の感性に合った誘客や受け入れの手法を理解する。
3)ブランディング(結びつき、広めること)
 カレッジに参加する仲間たちと一緒に新潟の魅力を再発見し、地域という「面」でその魅力を捉え、広めるための絆を創造する。

 

2.全8回の「ヒルクライム ワークショップ」を開催

インバウンドカレッジでは、インバウンドに対するマーケティング力や受け入れ能力を高めるプログラムを「ヒルクライム」になぞらえ、各分野の精鋭7名のガイドが適切な支援やサジェストを行いながら、8回のヒルクライムワークショップを通じて一歩一歩山を登っていくように、参加者を成功の頂きへと導きます。

一人では上るのが大変な山でも、同じ志を持つ仲間と一緒なら超えることができます。

インバウンドカレッジでは仲間とのLINEグループやFacebookのグループを立ち上げ、ガイドからの講義と参加者同士のディスカッションをメインとしたワークショップで、同じ経験を積みながら一緒に学び合います。

<ヒルクライム ワークショップの概要>
1)ワークショップのポイントとメリット
 ●インバウンド集客の基礎や具体的な実例を知ることができる
 ●参加者と講師とのワークショップ形式をメインに、相互の意見交換をしながら学びを深める
 ●参加者同士や講師とは、講座の他にもSNS上での交流ができる
 ●一定数の参加条件を達成した方には『修了証書』が贈呈される

2)ワークショップ開催実績
 ●日時:2022年7月~2023年2月 各月1回 13:00~17:00
 ●会場:新潟県内 上中下越(開催毎に異なる)
 ●参加費:全8回  1人:10,000円

3)募集の詳細
 ●講座ごとに下記のターゲットを設定して募集を実施
  第一ターゲット:宿泊事業者のマーケティング担当、幹部、幹部候補生
  第二ターゲット:体験事業者
  第三ターゲット: DMO
 ●講座のテーマ
  ・インバウンド集客
  ・地域連携
  ・高付加価値化
  各分野のスペシャリストや 観光庁の認定専門家をアサインし、事業の目的、参加者のニーズ、観光庁の求めるトレンドに合わせた3つのテーマで、全8回の講座を開催しました。

 ※木立徹氏は2023年よりゼロイン社からソリッドインテリジェンス社にインバウンド事業を譲渡し、ソリッド社において引き続きプロデューサーとして活動 
各回のセミナー内容や事前課題を受けて、磨き上げ等の考え方をアウトプットし、その場で講師やメンターからのフィードバックを受ける
ワークショップはチーム分けを行うことで、参加者同士の繋がり醸成にも寄与
講演・セミナー形式の情報提供だけでなく、毎回多彩な体験の時間も設定
8回の講座のうち、5回以上(または63%以上)参加した方には『修了証書』を授与

3.受講者した方々の満足度と、その成果は?

こうして開催された全8回の新潟インバウンドカレッジは20名の参加者を集め、その中から10名の修了者を輩出しました。

参加者に講座の満足度をヒアリングしたところ、参加者の100%が「満足」「おおむね満足」に該当する回答を寄せています。

令和4年度スタートの新事業でもあり、参加者の皆さんには全貌が見えない戸惑いもあったかと思いますが、 多くの方が想定した座学一辺倒のスタイルではなく、体験ワークショップ型のスタイルが盛り込まれていたことで、良い意味で期待を裏切る画期的な研修になったことが、回答結果から読み取れます。

また各講座の満足度 についても、「満足」「おおむね満足」に該当する答えが 100%となりました。 各テーマに沿った講座から、参加者は多くの気づきを得られるとともに、コーディネーターである木立氏の適切なフォローがより深い理解を促した結果だと判断できます。

次いで体験ワークショップの満足度では「満足」「おおむね満足」が約66.6% 「普通」が約33.3%となりました。

参加者からの不満の声はないものの、事前課題からワークショップ、発表へといたる一連の流れや、グループでのワークショップの実施方法などについては今後へとつながる改善課題が見つかりました。

その一方で体験ワークショップは、参加者同士はもちろん、ふだん接することの少ない異業種の方々や他エリアの方々との盛んな意見交換が行える貴重な場となったことから、各参加者からも「この点が一番の収穫になった」という意見も多く寄せられ、交流の場・意見発表の場としての確かな意義が感じられました。

事前エクスカーション・座学・体験ワークショップ・発表という一連の流れで実施された、新潟インバウンドカレッジ。

事業テーマである「ヒルクライムワークショップ」という名の通り、インバウンドにこれから力を入れようとしている方々が一同に会し、同じ方向を向いて今後の新潟県のインバウンドをけん引する人材育成に寄与する、価値ある事業となりました。

実際にカレッジ実施中にも、参加者同士で意気投合し協業する事例が生まれたり、最終アンケートでは「このカレッジメンバーで実際にツアー商品を作りたい」などの回答も見られるなど、 新潟のインバウンドをけん引するチームづくりのための確かな礎になったと言えるでしょう。

令和5年度「第2回新潟インバウンドカレッジ開催・運営」も、引き続きエイエイピーとソリッドインテリジェンス社・木立氏とのタッグによる次回の開催が決定しています。

令和4年の開催で得られた課題の数々を検証することで、より実効性の高いインバウンドカレッジ企画へとブラッシュアップしていきますので、今後の新潟のインバウンドへの取り組みに、ぜひご注目ください。

▶新潟インバウンドカレッジ

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■実施主体/公益社団法人新潟県観光協会
■事業受託/㈱エイエイピー新潟支店:事業設計・企画、参加者募集プロモーション、WS運営
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※2023/09/20公開の記事を転載しています


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