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【シリーズ企画】接客現場の「こんな時どう答えればいいのですか?」

接客現場では、ことばに詰まる質問を受けることがあります。もっと上手に答えられないかと向上心にあふれて考えてしまう人もいます。後輩から質問されて説明できないこともあります。
そんな接客現場の悩みに耳を傾け、受け答えの考え方やことばのヒントをお伝えします。
接客ミーティングの素材として、現場指導の教材として、ご活用ください。

第1回〈正直に答えてもいいのですか?編〉

Q お客さまから「何時から働いているの?」「お休みは取れているの?」とか、「給料はいくらぐらいなの?」とか聞かれました。どこまで答えていいのですか

A 誠実にお答えすることが基本です。ホームページの採用案内の内容は公開されているので、伝えて問題にはなりません。興味本位というよりは、気にかけてくださっての質問だと受け止めると、前向きな表現で回答することができます。

【ことばのヒント】
「基本的には(勤務時間/今年度入社の基本給/年間休日数)は・・・・でございます。
ただ、シーズンやお客さまの状況によってはその通りではないこともありますので、お客様にご満足いただきながら、働き方のバランスを取れるように工夫しております。」


Q 「今日はすいているんですか」とか、逆に「今日は混んでいるんですね」と言われた時は、正直に答えてもいいのですか?

A もちろん正直に答えます。ただし、お客様はどのようなお話を期待していらっしゃるか考えること、自分の気持ちをお伝えすることも忘れずに。

【ことばのヒント】
「はい、本日は、ご宿泊が少ない方でございます。このような日は、特にていねいにご接客させていただきたいと思っております。」
「はい、おかげさまで、本日は満室に近いご予約をいただいております。どちらかで長くお待たせいたしましたでしょうか?」・・・「それは申し訳ございませんでした。できるだけお待ちいただくことがないように、気を付けるようにいたします。」


Q 「私、何歳に見える?」と聞かれることがあります。気分を悪くされないようにとは思いますが、あまり空々しいのもいけないかと思います。どのくらいの年齢をいうのがいいのですか?

A 実年齢より若く答えることが礼儀です。ご質問のお客様は、明らかに実年齢より若くありたい、と思っていらっしゃるでしょうから、このご質問には確実に若く答えることで、お客様の心は晴れやかになります。実際に思うより5歳ではなく10歳マイナスするくらいがよいと思われます。それを○○歳代で答えると、よりよい答えになると思います。

【ことばのヒント】
「玄関でお見かけした時に、ご旅行のお疲れもなくお話していらしたので、お連れ様がお孫さんと伺って驚いておりました。それを伺わなければ、60代(70代)くらいかと思いました。」
「わたくしの母(祖母)よりお若いと思いますので、60代でいらっしゃいますか?」


Q 写真をご一緒に撮った後で、「LINEを教えてください、写真を送りますね」と言われた時に、教えないといけないのでしょうか?悪意はないと思いますが、どうすればいいでしょうか?

A 職場では、お客様から連絡先を求められても、個人の連絡先を伝えることはありません。そのため、会社の個人アドレスか代表アドレスをお伝えするのが一般的ですが、入力する手間などを考えるとお客様も面倒なことだと思われるかもしれません。代表アドレスについては、QRコード(二次元コード)を作っておいて、そのカードをお持ちするとよいでしょう。

【ことばのヒント】
「ありがとうございます。(写真やメッセージは)ぜひ会社のアドレスにお送りいただければと思います。QRコードをお持ちいたします。」


Q 食材の産地を聞かれた時に、外国産などの場合も正直に伝えてもいいのでしょうか?「これは地元のですか?」と聞かれることもありますが、必ずしも地元のものを使っていません。天然か養殖かを聞かれる時にも悩ましいです。印象よく伝える言い方はありますか?

A まず、ごまかそうとしたりウソを語ったりしてはなりません。わからない場合でも調べて答えるのですから、伝え方を知っておきましょう。

外国産の品質に問題があるわけではありません。ただ、国産かどうかと質問する方は、少なくとも外国産であることにマイナスのイメージを持っているかと思われます。そこで外国産の場合には、豊かな自然がイメージできる地名や海の名前を添えることで、国名だけを伝えるよりずっとよい印象を与えられます。国名で答える場合には、吟味したものであることを伝えます。
また、地元の食材でない場合は、よい食材なのでその地域のものを入れている、と伝えます。

養殖のものと比較するお客様は、天然のものに価値があると思っているかもしれませんが、このような場合は、育てた(養殖)川や海の名前で価値を高める言い方をします。
 
【ことばのヒント】
「こちらのカニは、オホーツク海/〇〇の沖でとれたものでございます。」
「こちらの松茸は、中国や韓国の産地の中から吟味したものを取り寄せております。」
「本日の椎茸は、伊豆から取り寄せた物でございます。」
「こちらは、〇〇川の清流で育てた鮎を使っております。」「こちらの鯛は、〇〇湾の沖で育てている物でございます。」
 


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