ウィズコロナ3度目の秋はグループ団体にも動きが。受入れ体制の立て直しを!
今年になって、「家族の集まりや小グループの宿泊が増えている」「20名から30名の団体の問合せがコンスタントに入るようになった」と、各地で耳にします。中規模施設では、100名単位の貸切対応の問合せもあるようです。
高額ツアーで個人客同様の対応を求められたり、2泊のゆったり滞在型ツアー・おひとり様限定ツアーなど、ツアー団体も様変わりしながら復活してきました。感染対策に留意しながらも、積極的に販売を始めているところでは平日の稼働の支えになっています。
そんな中で、課題も噴出しています。
このような課題に目を向け、すでに何らかの手を打っているところもあれば、深刻なのは、管理職が日々の運営に追われ、課題に取り組む気持ちにさえなっていないところもある、ということです。
グループ団体の受入れについては、2年半に渡って取り組んでこなかったとすれば、もはや部署ごとに課題を解決する状況ではありません。ここで仕切り直しをして、全部署の共通の課題として体制を見直す意気込みが求められています。
体制見直しのポイントは下記4つ。これらのポイントについて1つずつ解説していきます。
1.事前確認・提案・調整の重視
来館前に事前確認として、到着時間の目安・部屋割りの詳細(男女比が必要な場合は特に)・夕食会場のレイアウト希望(会食・宴会)・朝食と出発の時間について確認が取れていれば、運営の段取りが取りやすく、不慣れな現場担当者にも指示やサポートがしやすくなります。
また、内容によってはこちらから提案をして現場に無理がかからないように提案することも重要です。個人客の場合には、遅めの到着で夕食までに短時間しかなくとも、なんとか対応するでしょうけれど、これが10名ほどのグループになると現場は段取りが取れず、厳しい対応を迫られます。
小グループの組数が多くなっている施設では、事前確認がますます重要ですが、予約担当者は、個人客数の増加のために業務に追われていて手が回らないところや、そもそも団体と言う扱いをしないので自動返信のみで事前確認をしていないところも増えています。個人向けの事前確認メールとは分けて、グループ団体の事前確認メールのテンプレートを用意するのもひとつの方法です。
さて、事前確認メール後にお客様から入る質問や回答は、予約担当ではなくフロントや接客部門が主体的に対応する体制を検討することをおすすめします。これは、現場に直結した提案や調整を可能にするためです。
従来どおり、予約の基本情報の扱いは前日までは予約担当で、運営に関わることだけは現場担当に移行することで、業務の効率化と品質の向上が期待できます。
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2.当日運営サポートの強化
小グループから団体まで、会議や会食/宴会は現場をサポートする担当を決めておくことが望まれます。通常の食事提供の延長線上で対応できるものもあれば、少人数でも接待や特別な準備を求められる内容もあります。これらを現場任せにしてしまうには、現場の経験は十分ではないことが多く、その場で慌てたり、対応が不十分だったと苦情をいただくことにもなりかねません。
サポート担当は、現場担当者に問題がないか準備段階から声をかけ、お客様にも幹事様などにあいさつをしてサポート体制をアピールでしておきましょう。現場担当者にとって細かなことでも気になれば相談できる人がいるということが、無駄のない仕事、安心してよいしにつながるはずです。
さらに、事後の対応も重要です。会食時あるいは翌朝会計時などに、ご意見を伺いお礼を述べる機会を作りたいものです。信頼感が、次のご予約や評判につながっていきます。
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3.売りやすい/売れやすい飲み物メニューの設定
個人向けの飲み物メニューは見直しを継続しているものの、団体向けは動きがなかったのでそのままだった、ということはないでしょうか。特に大団体向けの宴会用飲み物メニューしかないところは考え直さなくてはなりません。
グループ対応を考えると、個人向けの飲み物メニューでは通常種類が多すぎる傾向にあり、大団体向けではニーズに応えられていない傾向にあります。
売れないのではなく、売りやすい/売れやすい飲み物メニューかどうか確認してみましょう。この時、だれが見直しメンバーに入るかが課題です。できれば年齢層は幅広く、女性の意見も取り入れられるようなメンバーで検討したいものです。
4.宴会・会食対応の教育トレーニング
個人のお客様対応には十分に慣れてきているスタッフでも、宴会・会食の対応はその延長線上でなんとかなる、というわけにはいきません。
特に、会食の際の気の遣い方(メインのお客様の把握やお世話役とのコミュニケーション)、宴会の際の飲み物の手際のよい提供などについて、ミーティングで伝えるだけでなく実践的に説明したりロールプレイングで確認する機会を持ちましょう。
また、教育トレーニングという観点では、団体受入れや当日対応をこれまで担当したことはもちろん見たこともない若手スタッフに、できないから担当してもらわないのではなく、一緒に動いて経験してもらう機会を作りましょう。
これからのグループ団体対応は、組数が増え、対応できるスタッフの数が必要になります。フロントの役割強化をひとつとして、視野にいれておきたい課題です。
感染対策を取りながらも、宿泊需要の変化に応えられる体制を確立しておきたいものです。
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※2022/08/18公開の記事を転載しています
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