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「温泉旅館」から「温泉のある渓流リゾート」へ。 ネクスト志戸平の第一歩となるLive×ビュッフェ「ヒカリノモリ」

vol.011 湯の杜ホテル志戸平

岩手県のほぼ中央に位置し、作家宮沢賢治の故郷として知られる、詩といで湯のまち花巻。市の西部を流れる豊沢川沿いに8つの温泉が連なる「花巻南温泉峡」があります。

峡谷にある温泉地だから「温泉郷」ではなく「温泉峡」。四季折々に趣のある峡谷美を見せる豊沢川の中流に立つ「湯の杜ホテル志戸平」は、開湯1200年、創業191年を数える、地域を代表する老舗旅館です。

ホテル志戸平では、2020年7月に新ダイニングLive×ビュッフェ「ヒカリノモリ」をオープンさせ、コロナ禍の逆風のなか好評を博しながら1周年を迎えました。

「ヒカリノモリ」の成功は、個人宿泊客に対し、より魅力的な施設となるための第一歩となりました。取締役専務執行役員の久保田剛平さんに、「ヒカリノモリ」の狙いについてお話を伺いました。



1. デザインコンセプトは「森と光」、サービスコンセプトは「エンターテインメントビュッフェ」。より進化した「わくワク!」体験を提供。

2008年にオープンした前ダイニングのコンセプトは「五感わくワク、郷の食卓。」でした。新しく誕生したLive×ビュッフェ「ヒカリノモリ」では、「わくワク」を新しい表現で、より進化させました。

ディナーバイキングのメニューは100種類。大きな樹のオブジェを中心に、光あふれる森をイメージした開放的な空間で、地元の食材を生かした焼きたて、揚げたての料理を提供します。

ダイニングへのアプローチを飾るギャラリーや、キッズ料理コーナーに設置されたクラフトアートは、地元の木工作家によるもの。「森と光」の世界観を創出します。


2. キッズ専用料理コーナー、キッズルーム併設のファミリーエリア。キッズ、ファミリーに嬉しい施設とサービス。

特徴的なのは若いファミリーに喜ばれる設備、サービスが充実していること。会場入り口では、ショーケースに宝石のように散りばめられたスイーツがお出迎え。

キッズ専用の料理台「MORI×MORIキッズコーナー」には、子供たちが大好きなメニューが並びます。

食事を終えた子供が遊べるキッズルームを備えたファミリーエリアも設置。子どもを見守りながら家族もゆっくり食事をすることができます。


3. 「私たちの顧客は誰か?」マーケティングを見直し「個人客の宿泊」に集中。

こうしたファミリー層を想定した商品計画の背景には、従前から行われていたマーケティングの見直しがあります。

「私たちの顧客は誰なのか?」。これまでは、幅広い目的で利用する、幅広い客層をターゲットにしてきました。

しかし、従来のままの戦略では、同タイプの競合館から抜け出すことができない。他館とは違うコンセプトを持ったほうがいい。熟慮を重ねた結果、注力すべき想定利用者像を自社の中で設定しました。


4. 個人宿泊客の満足度を高める。

これまで宿泊以外にも割かれていたリソースを、「個人宿泊客」に集中。宿泊の個人客への価値提供に注力することで、サービスクオリティが高まり顧客満足度が上がります。

また、「コロナ禍で宴会ができなくなったことは、新しい考え方にシフトしていくきっかけにもなった」といいます。

コロナによるマイナスの影響は少なからずありましたが、戦略のパラダイムシフトにはプラスにも作用しました。


5. 「森と光」の世界観を全館に。新しい「わくワク」のカタチを創造。

ホテル志戸平では、これまでも「わくワク」をコンセプトにした商品づくりをしてきました。その根本は変えず、「にぎわい」をベースにした「わくワク」から、日常からの解放という体験価値の提供による「わくワク」の創造へと進化を目指しています。

「温泉旅館」から「温泉のある渓流リゾート」へ。Live×ビュッフェ「ヒカリノモリ」はネクスト志戸平への扉を開きました。

社員もそれぞれマーケティングを勉強し、調理スタッフも積極的に料理アイディアを考えるなど、まなざしを合わせた強いチーム体制ができつつあります。さらなる進化を目指すホテル志戸平の今後が注目されます。

湯の杜ホテル志戸平(岩手県・花巻南温泉峡)
〒025-0244 岩手県花巻市湯口字志戸平(Googleマップ
公式サイトはこちら 

※2021/08/26公開の記事を転載しています


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