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「The Forbes 30 Under 30 Asia 2020」に選出された若きCPO-日本最大級の訪日観光プラットフォームの次の一手「Ready For Japan!」

vol.004 株式会社MATCHA CPO 齋藤慎之介

2013年の創業時より世界中からのアクセスを伸ばして続ける訪日観光メディア「MATCHA」。2019年11月には月間663万ページビュー、333万のユニークユーザー、109万のFacebookファンを誇る大型メディアへと発展しました。

さらに2020年4月には、「The Forbes 30 Under 30 Asia 2020(アジアを代表する30歳未満の30人)」のコンシューマーテクノロジー部門にCPO(プロダクト責任者)である齋藤氏が選出。若きプロダクトリーダーである齋藤氏の仕事の流儀とMATCHAの今後の展望とは。


220以上の国や地域から愛される訪日観光プラットフォーム


-「MATCHA」の特徴についてお聞かせください

食事、宿泊施設、イベントなど日本旅行に関する情報を網羅しています。それ以外に旅行者のカスタマージャーニーに応じた「旅マエ・旅ナカ・旅アト」のニーズを考えたコンテンツを充実させていますが、特に「旅マエ」の情報提供が強いですね。台湾・香港・タイからのアクセスが多いのが特徴で、220以上の国や地域から読まれているメディアです。

また、訪日旅行初心者向けの記事だけでなく、リピーターや上級者向けの記事を発信することを常に意識しています。例えば、「浅草」の象徴的なイメージでもある「浅草寺の提灯」。あの提灯はどこで作られているか?など日本人でも知らないようなニッチで奥深い情報が必要だと思います。多面的な角度から人々の「旅マエ」のワクワク感をアップさせるような情報を発信し続けるメディアをこれからも目指していきたいですね。

-社員の3割程度が外国人の方とお聞きしています

そうですね。メディア事業部に所属する編集者は台湾・タイ・アメリカ・ルーマニア・ドイツ出身です。MATCHAは10言語展開をしているため、それぞれの国ならではの視点や表現、言い回しに留意しています。

また、2017年から、星野リゾート様の全国の施設で、現地で体験したことを外国人ライターが執筆・公開しています。ここでも、各ライターの着眼点を活かし、ユーザーの国・地域などの属性を意識した記事を発信することで日本への誘客を目指しています。


相手の価値観を受け止めチームの和を円滑に


―創業の際、大学生だったとお聞きしました

はい。創業の2013年は、私は21歳の大学生でした。大学の先輩でもある弊社社長の青木からMATCHAの構想を聞き、とても興味深く思ってジョインすることを決めました。大学が終わると、そのまま渋谷にあるシェアオフィスに通っていたことを今でも覚えていますね。

その頃、企画PRの業務を担当していたのですが、「MATCHA」という存在をまずはユーザーに知ってもらうことが命題でした。そのために私がまず実践したことは、Facebook(英語版)の毎日の更新。

全国の絶景写真1枚と英語の紹介文の組み合わせで「1day 1photo」を合言葉に、まずは1年間、更新を続けました。「継続は力なり」とはよく言ったもので、その結果約3万におよぶ「いいね!」までたどり着くことができました。

-その後、海外留学で得たものは何でしたか

2014年にアメリカ留学を経験しました。この留学の目的の1つには、日本を世界でアピールしたい、MATCHAを広げたいという想いがありました。米国では、本当に多様な国籍、人種の人がいて誰がアメリカ人なのか分からなくなる錯覚もありました。島国である日本で生きてきた私は、自分の当たり前は世界の当たり前ではないということを痛感する恥ずかしい思いもたくさん経験しました。

私は現在、7ヶ国のメンバーをマネジメントしている立場ですが、この留学の経験が活かされていると日々感じます。出身国・地域や育った環境などのバックグラウンドによって人の考え方や物事の捉え方は異なります。チームの運営をする上で、まずはメンバーを信頼し、話を聞く。相手の価値観をまずは受け止めるコミュニケーションがチームの和を円滑にすると考えています。


信念を貫き通し、嫌われることを恐れない


-仕事に対しての流儀・信念は何ですか

私の流儀というか、好きな言葉は「継続」と「信頼」ですね。創業時のFacebook運営や、自ら運営していたブログの経験にも繋がりますが、コツコツ努力を積み重ねることで着実に成長できると信じています。何か新しいことを始めるときも、結局はコツコツ努力することが一番の近道だと思います。

また、小・中・高とずっと主将として野球に打ち込んでいたのですが、その当時は人に嫌われることが怖く、主将としてメンバーに強くぶつかっていくことができずに負けてしまった苦い思い出があります。

「強く言ったら嫌われてしまう」と思っていたのは、本当の意味での信頼関係ができていなかったのかも知れません。先ほどの話にも繋がりますが、本当のリーダーとはまずきちんと相手との信頼関係を築けるかどうかが大事です。その上で、嫌われることを恐れず信念を貫き通すこと。私はそれが最も大事なことだと思っています。

-先般の状況に対してはどのようにお考えですか

このようなタイミングで「The Forbes 30 Under 30 Asia 2020」を受賞したことは、新しい課題へチャレンジする機会を与えられているのではと感じています。どの業界でも同じかと思いますが、Beforeコロナと同じやり方では当然通用しない現状。今まで公開していた過去の記事をリライトし最新版にしつつ、終息後に実行すべき複数のプラン・シナリオを用意している最中です。

今は自らの魅力を再定義して、どうすれば新しい形で世界中の方々に日本の魅力を知ってもらえるかをひたすら考えています。これはホテル・旅館業界の皆様にも通じる「今できる対応策」の1つではないでしょうか。


現在、日本各地の観光が再び盛り上がることを、サポートしたいという想いから「Ready For Japan!」というプロジェクトを実施しているMATCHA。齋藤氏いわくこのプロジェクト宛に、海外の方から「日本に早く行きたい」「日本がとても好きだ」といった声が数多く届いているとのこと。齋藤CPOは日本各地の観光・宿泊業界の魅力を、継続的に伝えていきたい。と力強く話してくれました。本日はありがとうございました。

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【プロフィール】
1992年生まれ、宮城県仙台市出身
明治大学商学部在学中に21歳で株式会社MATCHAに創業メンバーとして参画
ニューヨークへの長期留学などを経て、2016年、博報堂DYメディアパートナーズに入社。
2018年、株式会社MATCHAへ戻り、現在はCPO(プロダクト責任者)として、グロース、新規開発、グローバルチームのマネジメントを担う。

【会社情報】
株式会社MATCHA
設立 2013年
資本金 117,114,852円
従業員数 約40名(パートタイマー含む)
事業内容 訪日観光プラットフォームの運営
URL https://company.matcha-jp.com/(公式サイト)

※2020/05/20公開の記事を転載しています


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