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【連載】旅館の経営に対する10の問い-第8回

昨今、多くの旅館で人手不足が深刻な問題になっていますが、そればかりではなく、旅館によっては業績の低迷や施設の劣化による慢性的な苦情、資金繰りなど、さまざまな問題を「同時多発的」に抱えているところも少なくありません。

それらの問題の解決策は一つ一つに向き合うことが基本ですが、旅館経営においては問題の根っこが相互に絡み合っている場合が多く、一筋縄ではいきません。しかし、根っこが絡み合っているということは一つの問題に取り組むことで、他の問題にも良い効果を及ぼすことがあります。

ここでは、旅館経営それぞれの問題を解決するヒントを紹介します。思い当たる問題に対して、それを手掛かりに問題の打開を図りましょう。


【その8】

社員の定着対策② 人材育成の取り組みを行ないましょう

「人を育てる」ということを、使える人間にする=業務上必要な知識や技能を身につけさせる、といった次元だけで捉えていると、社員定着や組織形成において失敗をします。単なる業務をこなす労働力ではなく、「人間として育てる」という理念を持って臨み、そして「自分が育っている実感」を持てるようにすることが大切です。

人材育成は、商品づくりや集客、適切な仕入れ、サービスの向上などと並ぶ、企業として取り組むべき課題として位置付けられる重要なテーマです。

人材育成の具体的なポイント

・心のケアに目を向ける
・「部下の育て方」について、会社全体で話し合う
・各レベルの人にこれまでよりも一段高い課題を与える
・処遇との結び付けも考える
・外部研修の活用も考える

社員の離職や不満、組織活力の沈滞といった問題も、表面的な症状や現象だけにとらわれると、根本的な解決策は出てきません。仕事の内容や人の能力発揮、成長、組織の中のポジション、処遇といったことに結びつけて考える必要があります。


まとめ

人材育成は、「社員の立場でものを見る」ことです。「人」として、ぞれぞれ個人の立場になってものを考えることがポイントになります。

(株式会社リョケン 代表取締役社長 佐野洋一)

※2019/11/25公開の記事を転載しています


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