知っておきたい! 外国人観光客が日本で感じる不便や問題4選
国際的なイベントも数多く開催され、日本を訪れる外国人観光客は今後ますます増加することが期待されています。ホテルや旅館などの宿泊業界ではインバウンド対策が急務となっていますが、未だにどこから手をつけて良いのかわからず、未対応の施設も少なくありません。心のこもったおもてなしによって外国人観光客に日本滞在を楽しんでもらうためには、どのような部分に力を入れてインバウンド対策に取り組めば良いのでしょうか。日本を訪れた外国人観光客が感じる不便や問題点に触れながら、ホテルや旅館が取り組むべき課題を見つけていきましょう。
無料Wi-fiが少ない
インターネットやスマホが普及したことによって、空港や駅の構内、飲食店、大型の商業施設など、無料Wi-fiが使える場所は大幅に増加してはいるものの、地方によっては無料Wi-fiが使える環境が整っていないところも少なくありません。2017年に観光庁が発表した「訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関するアンケート」の結果によると、外国人観光客が「訪日観光で最も困ったこと」の第2位にこの無料Wi-fiの問題がランクインしています。
私たちが国内旅行をする際にスマホやタブレットを使ってネットから情報を得るのと同じように、日本をおとずれている外国人観光客もSNSを駆使して情報収集をしたり、スマホのマップ機能を使って目的地を目指したりしています。場所によってはWi-fi環境がないため、不便に感じることも多いようです。
外国人観光客の満足度を上げるためには、Wi-fi環境を整えることが効果的というわけです。街中で使用できる無料Wi-fiが少ないのであれば、最低限ホテルや旅館の館内ではどこにいてもネットを利用することができるように、無料Wi-fiを設置するとよいでしょう。
多言語表示が少ない・分かりづらい
日本を訪れる外国人観光客のための多言語対応は地域格差が非常に大きく、都市部や人気の観光名所などでは多言語表示が積極的に行われているのに対し、地方では地図や看板の多言語表示が少なかったり、分かりにくかったりするケースも少なくありません。こうした「多言語表示の少なさ・わかりにくさ(観光案内板・地図等)」は、観光庁が行なったアンケート中の「訪日観光で最も困ったこと」で、無料Wi-fi不足の問題に次いで3位にランクインしています。
この問題に対してホテルや旅館ができる対策としては、周辺の観光名所やおすすめショップなどをまとめた地図を作成するのがおすすめです。地元商店街や近隣の施設と協力しながら、多言語表示されたオリジナル地図の作成を実現してみましょう。
施設のスタッフとのコミュニケーションが取れない
多言語対策のなかでも英語に関しては、都市部だけでなく地方でも対応可能な地域が増加していますが、スタッフや旅行客の中には英語が理解できない方も多く、ホテルや旅館滞在中にスタッフとのコミュニケーションがとれず不便さを感じることがあるようです。実際に観光庁が行なったアンケートでは、このコミュニケーションの問題が「訪日観光で最も困ったこと」の1位にランクインしています。
チェックイン、チェックアウト、食事の際などに、細かいニュアンスが伝わらず、双方が困ってしまうこともあるようです。ホテルや旅館が用意した、折角のおもてなしが理解されなかったり、また訪日外国人のお客様のニーズを汲み取れずサービスに満足いただけないなど、言語の壁で気持ちが通じ合わないのは、お互いにとって残念なことです。現在では、同時通訳を可能にするアプリやポケット翻訳機、多言語表示可能な客室タブレットなどもありますので、それらを導入するのもよいでしょう。
両替場所が不足している
観光庁が発表した「訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関するアンケート」によると、日本を訪れた外国人旅行客の実に6人に1人が旅行中に「両替場所が不足している」と感じていたことが明らかになりました。
韓国や中国をはじめ世界の多くの国ではキャッシュレス決済が主流となっているのに対し、日本ではまだまだ現金での支払いを求められるケースも多いため、外貨から日本円への両替というのは外国人観光客からの要望が多いサービスのひとつです。
解決する方法としては2つの方法があります。ひとつめは、ホテルに為替両替機を導入する方法。ただし、両替機の導入には、盗難など犯罪に対するリスクも理解しておくことが大切です。
2つ目の方法としては、両替機ではなくキャッシュレス決済に対応する端末を導入することです。中国ではキャッシュレス決済の比率が6割を超え、日本国内に旅行する中国人観光客も、キャッシュレス決済の利用頻度が多い傾向にあります。キャッシュレス決済の導入により、両替を行わずに決済ができるため喜んでもらえるでしょう。また、会計時間の短縮や業務効率化の面からもメリットが大きいと言えるでしょう。 クレジットカード決済、電子マネー型決済、QRコード決済など様々な種類の決済方法がありますが、自分達のホテル・旅館に宿泊する客層や、導入コストや手数料について検討しながら、どのサービスを導入するかを決めるとよいでしょう。
インバウンド対策を進める上で、日本を訪れている外国人観光客がどのような部分に不満を感じているのかを知ることはとても大切なことです。そうした問題に対して真摯に向き合い、ホテルや旅館側で丁寧に対策をすることで、クチコミなどで評判が広がり集客につながる可能性もあるのです。
※2019/10/28公開の記事を転載しています
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