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【連載】旅館の経営に対する10の問い-第9回

昨今、多くの旅館で人手不足が深刻な問題になっていますが、そればかりではなく、旅館によっては業績の低迷や施設の劣化による慢性的な苦情、資金繰りなど、さまざまな問題を「同時多発的」に抱えているところも少なくありません。

それらの問題の解決策は一つ一つに向き合うことが基本ですが、旅館経営においては問題の根っこが相互に絡み合っている場合が多く、一筋縄ではいきません。しかし、根っこが絡み合っているということは一つの問題に取り組むことで、他の問題にも良い効果を及ぼすことがあります。

ここでは、旅館経営それぞれの問題を解決するヒントを紹介します。思い当たる問題に対して、それを手掛かりに問題の打開を図りましょう。


【その9】

社員の定着対策③ 目に見える評価と処遇の仕組みを整えましょう

「できる人材」が辞める理由の多くは、自分の能力や働きを正当に評価されていない、と感じることに要因があります。できる人材を心の中で評価しているだけでは足りません。評価を本人にわからせてあげること、実際に給与などの処遇面に反映させることが求められます。

評価や処遇の仕組みと実情

社員の評価や処遇に対する仕組みは以下の3つです。

・評価の仕組み整える
・評価を給与や昇格に反映する仕組みを整える
・仕組みをわかるようにする

ただし言うのは簡単ですが、これらを実際に実行するとなると、様々な問題に突き当たります。

仕組みを整える上での問題点と対策

【問題点】
まず、「評価の仕組み」としては、いわゆる人事考課システムというものがありますが、いきなり理路整然としたシステムを導入しても、仕事の実態とのギャップが生じてうまくいかない場合があります。また、「評価を給与に反映させる仕組み」についても同様で、給与体系全体を組み替えることはなかなか難しく、矛盾が生じる可能性もあります。

【当面の対策】
いずれは体系的なものにしていくことが前提ですが、これらの仕組みの構築をする前にやっておきたい対策をご提案します。

1.「評価の仕組み」について
「評価できる点」、「改善してほしい点」というかたちで、上司が書き出す仕組みを取り入れてみてはいかがでしょうか。その評価の中身を本人が理解することで、評価されていないという不満を解消できます。

2.「評価を給与や昇格に反映する仕組み」について
努力や功績などの「プラス要素に対する報奨手当」を付けてみてはいかがでしょうか。理由を本人に伝えるのはもちろん、その「理由」も1.の「評価」と連動してくことが望ましいです。部分的ながらも、「評価と処遇の連動」が実現し、部下の処遇に対して現場の上司がコミットすることになるからです。

また同様のことを、時間給で働くパート社員にも考えていくべきです。年功だけでアップしていく時間給では限界が来ます。昇給の際に理由を告げて、能力や努力、働きを適切に評価することが必要になってくるでしょう。


まとめ

公正な評価や、評価を処遇に反映する仕組みを整えることは、いずれ何年か先には求められる「時代の要請」と言えます。いつまでも、小手先の調整だけで乗り切ることは難しいでしょう。当面の対策と並行して、総合的な仕組みの構築にも取り組むことをお勧めします。

(株式会社リョケン 代表取締役社長 佐野洋一)

※2019/11/25公開の記事を転載しています


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