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【2024年度】観光DXで使える補助金と活用例を解説

観光庁が推進する施策として、観光に関わる業務をデジタル化して利便性の向上を図る観光DXがあります。
当記事では、観光DXで活用可能な補助金の種類と、具体的な活用例を解説します。
それぞれの対象や特徴を学び、応募を検討してみましょう。


観光DXの活用例と活用できる補助金

観光DXとは、デジタルトランスフォーメーションの力で観光に関する業務の効率化を図る取り組みです。加えて、収集したデータの分析を通じた観光戦略の検討や、新たなビジネスモデルを創出する取り組みも観光DXに含まれます。

観光庁は観光DXを地方創生の切り札として位置づけており、観光DX導入に利用できる補助金制度を各官公庁や自治体が用意しています。
ここでは、観光DXを導入できる4つの具体例と、利用可能な補助金を紹介します。

PMS(ホテル管理システム)

PMSとは、主にホテルや旅館の予約・客室管理システムを指します。顧客や売上のデータを管理するものもあります。PMSの導入によって、営業の効率化とサービスの質向上が見込まれます。

以下は、PMSの導入に活用できる補助金の例です。
●        IT導入補助金
●        業務改善助成金
 
各補助金の詳細については後述します。

自動精算機

ホテルや旅館のチェックイン・チェックアウト時の精算作業を自動で行う自動精算機があれば、フロント業務が軽減の軽減になるのはもちろん、多言語対策、お客の待ち時間短縮にも有効です。

補助金の一例
●        IT導入補助金
●        観光地・観光産業における人材不足対策事業
●        業務改善助成金

配膳管理システム

配膳管理システムとは、お客の食事時間や配膳情報などに加えアレルギーの有無に至るまで、食事に関する情報を接客担当者・厨房スタッフが共有できるシステムです。サービスの質向上とともに人為的なミスの削減にもつながります。

補助金の一例
●        IT導入補助金
●        小規模事業者持続化補助金(一般型)
●        業務改善助成金

SMS活用

予約したお客に対する確認作業は、メールアドレスが不明であったり電話を取ってもらえなかったりといったケースがあり、旅館・ホテル側にとって負担が大きくなっています。
SMS(ショートメッセージサービス)を利用することによって、作業の確実性が向上し人的コストが削減できます。

補助金の一例
●        観光地・観光産業における人材不足対策事業
●        IT導入補助金
●        業務改善助成金

【2024年3月時点】観光DX導入に利用できる補助金の例

観光DXの導入に利用できる補助金の具体例を、5つ紹介します。

観光DXには機材の購入やシステム開発など多額の費用を要する施策が多く、各省庁の打ち出す補助金制度の利用がおすすめです。

また、地方自治体にも補助金制度が存在します。たとえば東京都では、地元の観光財団や産業労働局が補助金の申請窓口として機能しています。補助金申請を検討する際には、事業所の所在地または事業を展開している地域の自治体に補助金制度が存在するのかを事前に確認しましょう。

【観光庁】観光地・観光産業における人材不足対策事業

出典:観光庁「観光地・観光産業における人材不足対策事業」

観光需要の急激な回復に伴い、宿泊業界は人手不足に悩まされています。観光庁が実施する当制度は、宿泊事業者による設備投資を促進させ、宿泊サービスの向上や賃上げを図ることが目的です。
なお、観光庁が民間事業者を事務局として選定し、そこから宿泊事業者に補助金が交付される間接補助事業の形式をとっています。

補助金の活用例
●        チェックイン、アウトの自動化
●        配膳、清掃ロボットの導入
●        チャットボットや予約管理システムの導入

【中小企業庁】IT導入補助金

出典:IT導入補助金2024「IT導入補助金」

IT導入補助金は、労働生産性の向上を目指す中小企業や小規模事業者を対象とし、業務効率化やDXに向けたITツール導入を支援する制度です。上記の表で紹介した通常枠のほか、4つの応募枠があります。
申請には、事務局の登録を受けている「IT導入支援事業者」とのパートナーシップ契約の事前締結が必要です。

補助金の活用例
●        宿泊施設での経理関連・シフト管理といったバックオフィスシステム
●        宿泊予約サイトの業務効率化システム

【中小企業庁】事業再構築補助金

出典:事業再構築補助金「事業再構築補助金リーフレット」

事業再構築補助金は、ポストコロナ・ウィズコロナの経済社会に対応する中小企業の事業再構築活動を支援する制度です。事業再構築とは、新たな事業分野の展開や業種転換、事業再編などの活動を指します。
当制度はすでに第11回まで終了し、第12回以降は制度の見直し後に再開される予定です。

具体的な補助金の活用例
●      越境EC機能などインバウンド事業への業種転換
●      民泊の運営事業への転換

中小企業庁「事業再構築補助金」による、月岡温泉ひさご荘の客室改装プロジェクト

【中小企業庁】小規模事業者持続化補助金(一般型)

出典:小規模事業者持続化補助金「小規模事業者持続化補助金 ガイドブック」

この補助金制度は、小規模事業者を対象として生産性の向上と持続的な発展を支援します。特に、小規模事業者の販路開拓や業務効率化の取り組みにかかる経費を補助します。
取り組みに際して小規模事業者は商工会議所の支援を受ける一方で、商工会議所に所属していない事業者も応募が可能です。

具体的な補助金の活用例
●        飲食・パーティー事業の店内改装・新メニューの開発
●        セルフチェックインシステムの導入
●        スポーツバイクの宿泊者向けにスタンドを設置

【厚生労働省】業務改善助成金

出典:厚生労働省「令和6年度業務改善助成金のご案内」

最後に紹介する補助金制度は、厚生労働省が実施している業務改善助成金です。この制度では、対象事業者が生産性の向上を目的として実施した設備投資に対して助成金が支給されます。
助成金の支給を受けるには、事業場内における最低賃金の引上げ計画と設備投資の計画を立案し、事業場ごとに申請しましょう。

 具体的な補助金の活用例
●        POSレジシステムの導入
●        オーダーシステムの導入

まとめ

当記事では、観光DXに活用できる補助金制度と具体的な事例を紹介しました。
コロナ禍の観光業界では需要が落ち込み、観光に関わる企業の中には経営再建を余儀なくされるケースがありました。一方で、コロナ後の需要の回復とともに人手不足が問題とされています。いずれのケースにおいても、各業務でDXを推進すれば業務の効率化と生産性の向上が果たせるでしょう。
各省庁が実施している補助金制度の多くは、ITツール導入や設備投資に利用可能です。

この機会に各制度の概要や募集要項を確認し、応募を検討してみてはいかがでしょうか。


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